2019年6月21日(金)

FCA・ルノー、折半出資へ協議 統合交渉を読み解く

自動車・機械
ヨーロッパ
2019/5/27 20:19 (2019/5/28 6:58更新)
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統合の効果は年間50億ユーロ(約6100億円)以上を見込む(コラージュ、FCAの写真はロイター)

統合の効果は年間50億ユーロ(約6100億円)以上を見込む(コラージュ、FCAの写真はロイター)

【フランクフルト=深尾幸生、パリ=白石透冴】欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は27日、仏ルノーに対し、経営統合を提案したと発表した。両社の株主が株式の50%ずつを握る統合を目指す。ルノーは27日、提案を前向きに検討するとの声明を出した。実現すれば合計世界販売台数が約870万台となり、世界3位の自動車メーカーが誕生する。

■統合交渉、各社首脳の思惑
FCA会長、日産や三菱自との連携に意欲
日産社長「建設的な意見交換には前向き」
■3度目の自動車大再編
CASEにらみ交渉力高める
■統合案、市場評価高く
FCA・ルノー株2割近く上昇

FCAによると、売上高は単純合算で約1700億ユーロ(約20兆8600億円)、営業利益は100億ユーロとなる。統合完了をめざす時期は明らかにしていない。

ルノーと連合を組む日産自動車三菱自動車は統合案に含まれないが、両社を含めると連合の規模は年間1500万台超となり、現在首位の独フォルクスワーゲンを大きく上回る。

フランスのヌディアイ政府報道官は27日、仏テレビBFMの取材でルノーとFCAが経営統合する案について「我々は歓迎する」と述べた。イタリアのサルビーニ副首相も同日の記者会見で「欧州で巨大な自動車企業ができる。我々の国で雇用を守るための素晴らしい計画だ」などと述べた。

統合の効果は年間50億ユーロ(約6100億円)以上を見込む。工場の閉鎖は想定しておらず、車両設計など技術の共通化を通じて投資の効率化を中心に実現するとしている。日産や三菱自にとっても最大10億ユーロの効果があると見積もる。

ルノーがFCAの統合提案を受け入れれば、日産に提案している統合案を一時的に棚上げする可能性もある。ルノー・日産連合を率いたカルロス・ゴーン被告の逮捕後、両社の関係は緊張していた。ルノーがFCAと統合して大きくなれば連合内での力関係が変わり、連合の今後に影響を与えることは間違いない。

統合会社はオランダに置き、その下で両社の統合作業を進める考えだ。対等の精神を強調して当初の取締役11人のうちFCA、ルノーそれぞれから4人を指名する。日産も1人を指名するとしている。

統合されれば日産が保有するルノー株は「新ルノー・FCA」株に置き換わる。持ち分比率は現状の半分の7.5%に低下する。一方で新本社がオランダにおかれることで、フランスの会社法の規定は効力を失い、日産は新ルノーFCA株に同率分の議決権が発生する見通しだ。

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