NECがAI創薬に本格参入 仏社と臨床試験

2019/5/27 17:47
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NECは27日、人工知能(AI)を活用する創薬事業に本格参入すると発表した。第1弾として患者のがん細胞をAIで調べ、専用のワクチンを作るオーダーメード型の治療法をフランスのバイオ企業トランスジーンと共同開発する。臨床試験(治験)を欧米で2019年中に始める。実用化すれば従来の薬よりも高い効果が見込める。

共同で臨床試験に取り組むNECの藤川修執行役員(右)と仏トランスジーンのエリック・ケメナー上級副社長

再発した卵巣がんと、頭頸部(とうけいぶ)がんを治験の対象にする。卵巣がんの治験は米国で承認済みで、フランスでも申請している。頭頸部がんは英仏で申請中だ。日本での治験は、今のところ予定していない。実用化は25年以降の見通しだが、有効性を確認できれば各国の当局が早期に承認する可能性もあるという。

患者の正常な細胞とがん細胞を比較し、がん細胞だけに見られる異常なたんぱく質(がん抗原)の「ネオアンチゲン」を複数のAIの手法を駆使して予想する。AIが予想したたんぱく質を患者の体内で増やすためのワクチンをトランスジーンが開発する。体内に異常なたんぱく質が増えることで、免疫細胞が異物と認識して攻撃を開始し、元のがん細胞にも効果を発揮するようになる。トランスジーンのエリック・ケメナー上級副社長は「NECのAIはがん抗原を予測する能力で優れる」とする。

NECは以前からAIを活用するがん研究に取り組んでおり、16年には別の治療法を推進する目的で創薬スタートアップのサイトリミック(東京・品川)を設立している。今回の治療法はNEC自ら取り組み、藤川修執行役員は「AI創薬にコミットする姿勢を打ち出した」と力を込めた。

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