2019年8月18日(日)
スポーツ > ラグビー > 熱視線 > 記事

熱視線

フォローする

常識を破る正面突破 ラグビー日本代表・レメキ(上)

2019/6/1 6:30
保存
共有
印刷
その他

ラグビーのWTBといえば華麗なステップで相手を抜き去るイメージだが、日本代表のレメキ・ロマノラバは時にその逆をゆく。

正面衝突して、力で打ち砕く。「当たるのが好き。外に行ったらトライを取れたのに、ということも結構あるよ」。昨年2月、スーパーラグビーのデビュー戦もそうだった。味方の短いキックをキャッチ。相手と1対1になってもかわそうとしなかった。「結局、当たりにいって(倒れて)手を骨折したよ」と笑う。

「パワーでは誰にも負けない」と公言する

「パワーでは誰にも負けない」と公言する

177センチ、95キロ。代表選手としては小柄だが、その筋力は同僚の大男たちを上回る。160キロを上げるベンチプレスは「バックスで余裕の1番。チーム全体でも3位くらい」。懸垂は1位、背筋力も2位。「パワーでは誰にも負けない」と言い放つ。

瞬発力は親譲り。トンガ出身でプロボクサーとして活躍した父を持つ。自身も故郷のニュージーランドでリングに上がった。公式戦6戦全勝としたところで父からストップがかかった。「体にダメージが残るからラグビーにしろ」と。

闘いの場を芝の上に移してから随分たっても、相手をKOしたい気持ちがどこかにある。昨年、所属のホンダのコーチにクギを刺された。「足も速いし、アジリティー(機敏さ)もあるんだから、代表では最初にフットワークで勝負。ダメだったらパワーを使え」

「最初からパワーを使ってもいけるけど」とこぼしつつ、助言を受け入れている。昨年6月のジョージア戦ではステップで2人を抜き去り、きれいにフィニッシュ。昨季のトップリーグのトライ王にも輝いた。

フットワーク磨き代表の主軸に

ジョセフ日本代表ヘッドコーチはレメキを右WTBの主軸と公言。その突破力を活用する策も授ける。ボールが左に展開されたとき、右WTBは普通、大外で待つ。しかし、今の代表では内に移動し、リターンパスを呼び込んで突進する。鈍足FWが正面にいるときは特に狙い目だ。「(腕で相手を押す)ハンドオフを使って抜くか、細かいフットワークでバランスを崩し、吹っ飛ばす」とレメキは目を光らせる。チームの強烈な"右パンチ"の出番は増えている。

WTBにはより運動量が求められるが、「フィットネスもチームで4番目くらい。昔から走れたし、体を大きくしても全然落ちないよ」。胸を張った後で笑う。「体力があるとラグビーは楽しい。何でもできる。プラス、パワーがあるから、もっと楽しい」。走って、かわして、ぶつかって。時代とともに洗練されてきたラグビーだが、もともとはこんなシンプルなスポーツだった。=敬称略

(谷口誠)

熱視線をMyニュースでまとめ読み
フォローする

保存
共有
印刷
その他

ラグビーのコラム

電子版トップスポーツトップ

熱視線 一覧

フォローする
人間の大枠は20年前から同じ。稲垣は少年時代から入念な準備を積み重ねてきた

 今も少年のままなのかもしれない。ラグビー日本代表、稲垣啓太という人間の大枠は20年前から同じだ。
 186センチ、116キロの堂々たる体。実は中学1年からこのサイズだ。ぜい肉が筋肉に一変はしたが「当時 …続き (8/3)

 日本はゴールラインの2メートル前まで押し込まれていた。イタリアはパワーで攻め落とそうと、2メートルの巨漢にボールを託す。その瞬間、猛スピードで迫る影。稲垣啓太は116キロの体でぶつかり、3メートル押 …続き (8/3)

来日10年。16年リオ五輪では7人制で日本を4位に導いた=日本ラグビー協会提供日本ラグビー協会提供

 「これが最近のプレイリストね」。スマートフォンから流れてきたのは、18年前に流行した人気テレビ番組「あいのり」の主題歌だった。日本の文化に親しむレメキ・ロマノラバは、多様な民族的背景を持つ選手たちが …続き (6/1)

ハイライト・スポーツ

[PR]

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。