2019年6月26日(水)

最新の市場情報

「※」は20分以上遅延
日経平均株価(円) 21,086.59 -107.22
日経平均先物(円)
大取,19/09月 ※
21,050 -30

[PR]

豊島逸夫の金のつぶやき

フォローする

米大統領来日、問われる日本株

2019/5/27 11:13
保存
共有
印刷
その他

トランプ米大統領の訪日風景が欧米メディアでも報道されて日本への注目度が高まるなかで、日本株に関する議論も目立ってきた。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、日銀の上場投資信託(ETF)買いを詳細に紹介。日本株のリスク・プレミアムは6.94%で、米国の5.96%と比べて高い。この傾向は過去6年間変わっていない、とするニューヨーク大学教授の見解を引用している。ファーストリテイリング株の20%を日銀が保有することも引き合いに出し、米連邦準備理事会(FRB)は日本の過ちを回避すべし、と結んでいる。

この記事が話題となり、米CNBCの人気キャスター、ケリー・エバンス氏は「日銀がユニクロ株の20%を保有しているって! FRBがGAPとかメイシーズの株20%保有したらどうなるか、考えられない」と驚きの反応を示していた。「日本の債券市場も機能していない」とも語っている。

トランプ大統領来日がこのような辛口報道を誘発していることを、日本側はただ甘受するだけではすまされない。日本株の良い点もしっかりアピールすべきだ。ときあたかも、欧州議会選挙結果が欧州連合(EU)断裂をあらわにしている。

日本の相対的な政治の安定性が鮮明だ。首相3選など、先進国では今や「貴重な絶滅危惧種」とさえいわれるほどだ。しかも欧州株は、国際分散運用のなかで日本株とライバル関係にある。

日本株については「日本企業の多くが巨額の現金保有のうえに胡坐(あぐら)をかいている」とも頻繁に指摘される。ここは、日本企業の自社株買い増加トレンドをきっちり知らしめるべきだろう。

筆者も、ニューヨークでヘッジファンドと日本株論議をするたびに、日本株についての知見の低さを痛感してきた。切ないほど日本のことを知らない。日本株が彼らの「レーダースクリーン上にない」。それゆえ、トランプ大統領訪日が日本株のメリットを知らしめる良い機会にもなるのだ。

たとえ悪い内容の報道でも、それがキッカケになり、日本株が議論の対象になるだけでも、十分に意味はある。現実は、話題にさえならないのだから。ジャパンが話題になるのは、構造的低インフレの代表格で引用されるときがほとんどなのだ。

トランプ大統領が国技館で相撲見物に入場するとき、観客席からブーイングは全く聞かれなかった。「なぜだ?」とヘッジファンドの知り合いに聞かれた。これまでの訪問国では「ありえない風景」だと言う。筆者は「日本流おもてなし」「国技は神聖なスポーツゆえ、ブーイングなどは礼を失する」と日本人の価値観について説明している。

日本株を「食わず嫌い」の外国人投資家が圧倒的に多いので、この程度のエピソードでも日本についての興味を刺激する機会になると感じている。

シンゾウとドナルドの蜜月ぶりを見るにつけ、貿易協議の前途は厳しいものの、1980年代の日米貿易摩擦時のようなとげとげしさは感じられないことも事実である。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

豊島逸夫が語り尽くす 金 為替 世界経済

出版 : 日経BP社
価格 :1026円(税込み)

日経電子版マネー「豊島逸夫の金のつぶやき」でおなじみの筆者による日経マネームック最新刊です。

豊島逸夫の金のつぶやきをMyニュースでまとめ読み
フォローする

保存
共有
印刷
その他

電子版トップマーケットトップ