パプアのオニール首相、辞意表明 閣僚・議員ら離反で
【シドニー=松本史】南太平洋の資源国パプアニューギニアのオニール首相は26日の記者会見で辞意を表明した。「変化が必要だ」と述べた。後任には元首相のチャン氏を指名した。政権運営を巡り、閣僚の辞職や与党議員の離党が相次ぎ、退任圧力が強まっていた。

与野党の議員の間でオニール氏への不信感が高まっていた。政府がスイスの銀行と締結した融資契約で必要な手続きを取らなかった疑惑などが原因だ。パプアでは国会議員に二重国籍が認められていないが、オニール氏はオーストラリア国籍も保持しているとのうわさも流れていた。
オニール氏は民間企業を経て2002年に国会議員に初当選。財務金融相などを経て12年8月、首相に正式就任した。
パプアは18年、アジア太平洋経済協力会議(APEC)のホスト国を務めた。同国の液化天然ガス(LNG)開発には日本企業も参加する。国際通貨基金(IMF)によると、実質経済成長率が14年に15.4%を記録するなど高成長を遂げた。だが、18年の実質成長率は同年2月に発生した大地震の影響もあり、前年から横ばいになり、停滞感が強まっていた。