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「温室」拒んだ雑草魂 上原の引き際に何を学ぶか
編集委員 篠山正幸

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2019/5/28 6:30
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シーズン半ば、巨人復帰後の上原浩治(44)が、ユニホームを脱いだ。復活を心待ちにしていたファンにとっては寂しい限りだろうが、誰よりも悔しい思いをし、決断の苦しさを味わったのは当人だろう。自己に対する厳しさを身をもって示した上原。残された現役組がその姿に学ぶことで、決断も報われる。

昨季、10年ぶりにメジャーから巨人に復帰した上原はセットアッパーとして投げたが、左膝の状態が思わしくなく、本調子ではなかったようだ。シーズンオフ、その膝にメスを入れ、復活への執念をうかがわせた。その割に、引退の決断はやけに早かった、という印象がぬぐえない。

20日の記者会見で引退を表明し、目に涙をためる巨人の上原浩治=共同

20日の記者会見で引退を表明し、目に涙をためる巨人の上原浩治=共同

20日の引退発表の記者会見で、もともと現役生活は今年限りと決めていた、と明かし、限られた時間のなかで、復調のめどが立たなかったことを、決断の理由に挙げた。

「手術をさせていただいて、体自体は投げられる状態だが、2軍戦で通用せず、気持ち的に後ろ向きになったのかな」

「来年があるんであれば、もうちょっと頑張ろうと、今年一年はやろう、という気持ちになったかもしれないが……。気持ちと体となかなか一致しなかったということ」

今季、2軍では9試合、計9イニングを投げて、被安打11、自責点4の防御率4.00だった。奪三振は10。確かに芳しい成績とはいえないが、野球評論家の権藤博氏が23日付の日本経済新聞「悠々球論」で指摘したように、一流を相手にしたときに本領が出る投手であって、2軍で投げて味が出る投手ではない。

1軍で投げて、それでもだめだったら、あきらめもつく。その機会すらなく、引退に至ったのは残念というほかない。

チームのためを思えばこその決断

上原はメジャーに活躍の場を移したときから、巨人復帰の道は自ら断っていたようだ。

「巨人に戻ってくることは正直、考えてなかったんで、自分を取ってくれた鹿取さん(義隆、前ゼネラルマネジャー)、由伸(高橋前監督)に感謝している」。高橋前監督はプロでは1年先輩になるが、ともに1975年4月3日生まれの同輩であり、盟友だ。

巨人復帰に際し、ファンは大歓声で迎えた。その愛され方はおそらく本人の予想をはるかに越えたものだったに違いない。

その分、チームに対する思いも深まったに違いない。チームに貢献できればそれがベストだが、間違っても迷惑をかけてはならない……と。

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