2019年6月18日(火)

トランプ政権に痛手 「壁」建設、司法が一部差し止め

トランプ政権
北米
2019/5/25 19:51
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【ワシントン=鳳山太成】米連邦地方裁判所は24日、トランプ米政権が国防予算を転用してメキシコ国境に壁を建設する計画を一部差し止める仮命令を出した。予算の編成権を持つ議会の承認を得ずに強行したが、司法が初めて待ったをかけた。不法移民対策の柱として壁建設を公約に掲げてきたトランプ大統領には痛手となるが、政権側は最高裁まで争う構えだ。

カリフォルニア州の連邦地裁は議会の承認を得ずに予算の使い道を決めるのは大統領の行き過ぎた権力行使だと指摘した。政権が捻出した計67億ドル(約7400億円)のうち、10億ドルの転用を認めないとする仮命令を出した。

メキシコ国境で米国に不法入国した後、難民申請のために列をつくる人たち=ロイター

メキシコ国境で米国に不法入国した後、難民申請のために列をつくる人たち=ロイター

南部テキサス州と西部アリゾナ州の国境沿いで進めてきた壁の建設を一時的に止める必要があるとみられるが、米CNNは政権が他の財源を使って工事を継続する可能性もあると報じた。

米議会は2019会計年度(18年10月~19年9月)予算で政権が求める壁の建設費を全額認めなかった。トランプ氏は国境から犯罪者などが流れ込む「国家非常事態」だと宣言し、国防費などを回した。

壁建設の推進は、トランプ氏が20年の次期大統領選に向けて掲げる看板公約だ。初の司法判断で「ノー」を突きつけられたことで、法的な正当性を主張してきた政権には痛手となる。全米では多くの州や団体が政権を相手取って提訴しており、今後も同様の判断が下る可能性がある。

もっともトランプ氏は非常事態宣言を出した2月の時点で「我々は訴えられるだろう」と述べ、野党・民主党の支持者が多いリベラルな州の裁判所で負けると認めていた。自らが指名した保守派判事で固めた連邦最高裁では勝てると自信をみせる。最終決着までは時間がかかる見通しだ。

トランプ政権下で壁の建設を柱とした不法移民政策の是非は、議会の予算審議を舞台に大きな対立点となってきた。民主党は初の司法判断を追い風に攻勢を強めるのは必至だ。一方、世論調査では増え続ける不法移民への対策を求める声が増えている。司法判断を含む今後の論争は次期大統領選の行方にも影響を及ぼしそうだ。

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