2019年6月25日(火)

英市場、「合意なき離脱」の懸念再び メイ首相退場で

英EU離脱
ヨーロッパ
2019/5/25 5:43
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【ロンドン=篠崎健太】英国のメイ首相が辞意を24日に表明し、金融市場で欧州連合(EU)からの離脱の先行き懸念がぶり返してきた。新たな首相の下で強硬離脱路線に傾き、EU離脱を巡る混迷が深まる可能性が出てきたためだ。メイ氏の退場は既定路線として織り込み済みだったが、市場では「合意なき離脱」を警戒する空気がじわりと広がった。

辞任を表明するメイ英首相(24日、ロンドン)=AP

債券市場で英国の10年物国債利回りは一時0.94%台と、17年6月以来の水準に低下(債券価格は上昇)した。米バンクオブアメリカ・メリルリンチは内外の不透明感を挙げ、24日までに2020年の英実質国内総生産(GDP)成長率見通しを1.6%から1.1%へ引き下げた。市場では英イングランド銀行(中央銀行)の利上げ観測が一段と遠のいている。

ポンドは23日に一時1ポンド=1.26ドル近辺と、1月3日以来の安値水準を付けた。米中貿易摩擦によるリスク回避ムードもポンド売りを促し、5月半ばの1.30ドル程度から右肩下がりをたどってきた。24日はメイ氏の辞意表明後に1.27ドル台へ反発したが「過度に楽観的になれる根拠は少ない」(独コメルツ銀行のピーター・ディクソン氏)。

米金融大手ゴールドマン・サックスは24日、合意なき離脱の予想確率を10%から15%へ引き上げた。「最も確度の低いシナリオ」としつつも、EUに懐疑的な人物が新首相に就けば、袋小路の末に合意なき離脱を選択する可能性があると指摘した。英国での欧州議会選で、早期の離脱を公約に掲げるブレグジット党の躍進が見込まれることも一因とみている。

米格付け会社S&Pグローバル・レーティングも「メイ氏の後継者はより強硬姿勢を取り、合意なき離脱を交渉手段に使う可能性がある」との見解を示した。同社は英国の長期債務格付けを上から3番目の「ダブルA」としている。仮に合意なき離脱になれば英国の経済や産業競争力を押し下げるとみており、信用力分析の観点から注視している。

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