2019年7月19日(金)

外国人増加などで夜間中学拡充 文科省有識者会議

2019/5/25 0:50
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夜間中学で学ぶ外国人が増加していることなどを踏まえ、文部科学省の有識者会議は24日、現在の役割に対応する夜間中学の拡充策の案を取りまとめた。従来の目標である全ての都道府県に加え、全ての政令指定都市でも設置を目指すべきだとした。文科省は6月に最終的な報告を受けた後、各自治体に設置を促していく方針だ。

夜間中学は現在9都府県に33校ある。国籍を問わず、様々な理由で義務教育を修了できなかったり、ほとんど通えなかったりした人が、昼間の学校と同じように国語や数学、英語などの教科を学んでいる。

戦後の混乱期、日中に働く子供が多かったため、各地で設置が進んだ。全国の夜間中学の教職員らでつくる全国夜間中学校研究会によると、ピーク時の1955年には全国に89校あり、生徒数は5208人に上った。

その後、生徒は減少し、学校も減ってきたが、近年は来日した外国人の生徒の増加が目立っている。同研究会によると、18年の全国の生徒1698人のうち、在日韓国・朝鮮人らを除いた外国人が7割を占めた。

外国人の中には日本語の習熟度が高くない生徒も多いため、有識者会議は、日本語を指導する補助者を配置するなど、日本語教育の体制を拡充するよう求めている。

文科省は16年の教育機会確保法の成立を受け、全都道府県に少なくとも1つ、夜間中学を設置することを目標に掲げた。設置計画を具体化する自治体も相次ぎ、4月には千葉県松戸市と埼玉県川口市で2校が開校した。

政令指定都市には外国人も多く暮らしているが、現状では20政令市のうち設置は7政令市にとどまっている。このため、有識者会議は全ての政令市で設置を目指すべきだとしている。

通いたい人がどの程度いるか、ニーズを確認する調査の必要性にも言及した。多言語でのアンケートを実施するなど、一部の自治体の好事例を紹介し、丁寧に実態を把握するよう求めている。

このほか、生徒への経済的な支援、夜間中学への財政支援なども検討課題に挙げている。

全国夜間中学校研究会の竹島章好事務局長は「全ての人が学齢期に義務教育を受けられるべきであり、本来、夜間中学は『あってはならない』存在だが、現状では『なくてはならない』存在だ」と指摘。「夜間中学に通うために引っ越すというケースもあり、全ての自治体が設置を進めてほしい」と訴えている。

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