2019年6月17日(月)

米大統領訪日へ 中国けん制へ同盟重視 異例の2カ月連続

トランプ政権
政治
北米
2019/5/24 21:28
保存
共有
印刷
その他

【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領が25日、令和になって初めての国賓として日本を訪れる。6月末に予定する大阪での20カ国・地域(G20)首脳会議への出席とあわせ、米大統領の2カ月連続の訪日は異例だ。貿易や安全保障で対立を深める中国に対処するには、同盟国・日本との協力深化が不可欠との判断がある。

米大統領の2カ月連続訪日は異例(写真はロイター、2017年11月の来日時)

米大統領の2カ月連続訪日は異例(写真はロイター、2017年11月の来日時)

米政府高官は「これだけ短期間に続く首脳往来は、日米の緊密さを象徴する」と話す。トランプ氏は4月末に安倍晋三首相をホワイトハウスに招いており、日米首脳が3カ月連続で会うことになる。

トランプ氏の訪日は2017年11月以来。そこから米国を取り巻く国際環境は様変わりした。日米同盟の重視を映し出す2カ月連続の訪日は、その変化を反映したものにほかならない。最大の変化は、中国との本格的な覇権争いの始まりだ。

トランプ氏は前回の訪日にあわせ、中国も訪問した。習近平(シー・ジンピン)国家主席が示した総額28兆円規模の商談を受け、いったんは貿易問題で矛を収めたかにみえた。ただ、翌年春には態度を一変。今や相互に制裁関税を課す際限なき貿易戦争のただ中にある。翌月の17年12月にまとめた国家安全保障戦略では、中国の脅威に対抗する方針を打ち出した。

安全保障を左右する技術覇権の核となる次世代移動体通信(5G)を巡り、トランプ政権は中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)の排除にまい進する。歩調をあわせる日本に対し、米国と安保分野の機密情報を共有している5カ国「ファイブアイズ」のメンバーである英国は同社製品を選択肢から外していない。米政府関係者は「中国抑止に向け、米国にとっては日本こそが最も頼りになるパートナーに映っている」と話す。

北朝鮮情勢も大きく変わった。前回の訪日時は北朝鮮が核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を繰り返し、トランプ氏が「炎と怒り」で威嚇する米朝応酬のさなかだった。2回の米朝首脳会談を経て非核化交渉の再開を探る米国にしてみれば、日本の重要性は一段と増している。制裁網を維持しながらも、将来の経済支援という北朝鮮への「アメ」の提供に日本の助力が欠かせないためだ。

米政府高官によると、トランプ氏は日本滞在の最終日にあたる28日の米軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)で「地域の脅威抑止に向けた同盟の重要性」を訴える。中国や北朝鮮が念頭にあるのは明白だ。

もっとも、米中貿易協議の出口が見えない中でトランプ氏が日米貿易交渉の早期妥結や防衛装備品のさらなる購入を迫る可能性は小さくない。「日本は初の国賓で同盟重視をアピールできれば良いかもしれないが、トランプ氏は具体的な成果が欲しいだろう」(ジョシュア・ウォーカー米ユーラシア・グループ戦略事業部長)との見方がある。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報