2019年8月19日(月)

予知失敗、100回中99回 南海トラフ地震で学者回答 実用化の難しさ浮き彫り

2019/5/24 10:32
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南海トラフ巨大地震について、事前に発生する時や場所、規模を正確に言い当てる直前予知を100回試みても99回程度は失敗すると日本の地震学者が考えていることが、林能成関西大教授(地震学)が行ったアンケートで分かった。

 アンケート結果を説明する関西大の林能成教授(14日、大阪府高槻市)=共同

観測データを基に危険性を判断するのが地震学者で、予知の実用化が不可能に近いことを改めて示す結果となった。

林教授は、予知の難しさが市民や行政担当者に正しく伝わっていないと指摘。「突然の地震でも被害を少なくする防災を進めるのが先。予知を防災の前提としてきた過ちを繰り返さないようにすべきだ」としている。

アンケートは、日本地震学会の代議員ら138人のうち90人が回答。予知情報を出すのに必要な「事前に異常現象がある」「異常を観測できる」「危険が高まったと短時間で判定できる」「判定をすぐ公表できる」の4段階について、それぞれ成功する可能性を、経験や直感に基づき10%刻みで回答してもらった。

その結果、100回の巨大地震で予知を試みたとしても、4段階をクリアして事前に情報を出せるのは平均で5、6回(5.8%)。情報が当たるのは5、6回のうち1回程度(19.7%)となった。千葉市で開かれる日本地球惑星科学連合大会で26日に発表する。

直前の地震予知は、2011年の東日本大震災などを経て「不可能」とする考えが広まった。政府も、直前予知を前提として1970年代に始まった静岡県などの想定東海地震対策の方針を改め、実際に発生した地震などを根拠に、より控えめな警戒呼び掛けを行う方向に移っている。

政府は、南海トラフで巨大地震が起きる危険性を長期的に示す「長期評価」を行っており、マグニチュード(M)8超は「30年以内に70~80%」としている。

〔共同〕

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