安吾の手紙半世紀ぶり発見 敗戦直後兄へ全集掲載3通

2019/5/24 10:31
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新潟市出身の作家、坂口安吾(1906~55年)が敗戦直後の45年9月に、敗戦の意味や戦後の新聞社の使命を記した直筆の手紙3通が見つかったことが分かった。いずれも当時、新潟日報社社長だった兄に送ったもので、内容は71年出版の全集に掲載されているが、手紙は約半世紀の間、所在不明だったとされる。

 約半世紀ぶりに見つかった作家坂口安吾の直筆の手紙(新潟日報社提供)=共同

新潟日報社によると、手紙は3通とも2018年、東京の古書店がオークションで落札した。今回、同社が古書店から買い取った。今秋にも一般公開する方針だ。

いずれも400字詰め原稿用紙2~3枚に、マス目を無視して小さな字でぎっしり書かれている。安吾の長男で写真家の坂口綱男さん(65)は「下書きなしで書き進めており、それだけ情熱が伝わってくる」と話した。

手紙は「最大の眼目を率直に申上げますと、混乱、動乱を怖れてはならぬ、といふことです」などとする内容。戦後の混乱期に「生きよ、堕ちよ」と訴えた代表作堕落論をほうふつとさせるとの見方がある。「これからの地方新聞は、地方独特の地盤をハッキリ確立することが必要」などと、新聞社の在り方も力説した。〔共同〕

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