2019年6月18日(火)

インドネシア、対話アプリ利用を一部制限 デモ拡大警戒

東南アジア
アジアBiz
2019/5/24 3:30
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【ジャカルタ=鈴木淳】インドネシア大統領選挙の開票結果を巡る野党支持者の抗議デモで、インドネシア政府は対話アプリや交流サイト(SNS)などのソーシャルメディアの利用を一部制限した。暴動などを扇動するような偽情報の拡散を防ぐため、携帯電話会社に画像や動画の送信を遮断するよう命じた。治安の回復を優先させるためだが、国民の知る権利の制限につながりかねず、議論を呼んでいる。

SNSや対話アプリの利用制限は市民の日常生活に影響を与える可能性がある(23日、ジャカルタ中心部でスマホを利用する若者)

SNSや対話アプリの利用制限は市民の日常生活に影響を与える可能性がある(23日、ジャカルタ中心部でスマホを利用する若者)

インドネシア通信・情報省は22日、サイバー犯罪などを取り締まる電子情報取引法にもとづき、携帯電話各社に対話アプリやSNSでの画像や動画の送信を制限するよう命令した。同国で利用が多い対話アプリ、ワッツアップをはじめ、ツイッター、インスタグラムなど主要サービスを規制対象とした。同省は「デモ沈静化まで当面は続ける予定」としている。

国家警察の捜査で、抗議デモ中に投石や放火などの暴力行為に及んだ容疑者の一部が対話アプリで連絡を取り合って「計画的に犯行に及んでいた」(国家警察幹部)ことが判明し、デモを抑え込むには一定の通信規制が必要と判断した。

インドネシアでは家族や友人との交流や仕事の連絡などで、対話アプリや交流サイトを頻繁に利用する。英調査会社ウィー・アー・ソーシャルによると、インドネシア人は1日平均3時間26分もソーシャルメディアを利用している。世界有数の長時間利用だ。このため、利用制限は市民生活や経済活動に一定の制約を強いることになる。

ルディアンタラ通信・情報相は23日、地元テレビに「影響を受ける国民には申し訳ないが、国の統一がかかっている」として理解を求めた。一方、インドネシアの記者で作る「独立ジャーナリスト連盟」は23日夜、「政府は国民の情報を得る権利を尊重すべきだ」とする声明を発表し、政府に規制の解除を要求した。

当局はソーシャルメディア経由の真偽不明の情報で民族対立や宗教対立が先鋭化して、暴動などに発展する事態を特に警戒する。21日には「中国人が警察官になりすましてデモ隊を攻撃している」などとする画像付きの偽情報が拡散した。国家警察は少数派の中国系住民への憎悪をかき立てる目的で何者かが流した悪質なデマとみて、発信元を調べている。

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