2019年6月16日(日)

世界の成長率0.3ポイント下振れ IMF、米中貿易戦争で試算

トランプ政権
貿易摩擦
経済
北米
2019/5/23 23:15
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米中による追加関税は消費者に跳ね返るおそれがある(23日、北京の玩具店)=AP

米中による追加関税は消費者に跳ね返るおそれがある(23日、北京の玩具店)=AP

【ワシントン=河浪武史】国際通貨基金(IMF)は23日、米国と中国が互いにすべての輸入品に制裁関税を課して貿易戦争が激化すれば、世界全体の経済成長率が短期的に0.3ポイント下振れするとの試算を示した。IMFは2019年の世界経済の成長率を3.3%と予測しているが、米中の対立が深刻になれば、好不況の境目とされる3%ぎりぎりまで落ち込むリスクがある。

米国は5月10日に2000億ドル分の中国製品の追加関税率を10%から25%に引き上げた。現時点で制裁対象としていない約3000億ドル分にも6月下旬以降に上乗せ関税を課す検討に入っている。中国も報復措置を検討しており、両国の貿易戦争は互いの輸入品すべてに制裁関税を課す泥沼状態に陥りつつある。

IMFは輸入関税の引き上げによって消費者負担が高まるほか、企業や投資家の心理が冷え込んで設備投資や株式投資も落ち込むと分析した。世界経済全体の成長率が0.3ポイント下振れする可能性があると試算した。トランプ大統領は米国が課す対中制裁関税を「中国が負担して米国の国庫が豊かになっている」と主張するが、IMFは「関税の支払いは米国の輸入業者がほぼすべてを負担している」とも指摘した。

米国と中国を含む20カ国・地域(G20)は6月に日本で首脳会議や財務相会議を開く。IMFはG20会議に合わせて貿易戦争の詳細な影響試算を提示するとしており、通商問題が同会議の主要テーマとなりそうだ。

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