2019年6月27日(木)

違憲性焦点、認否避ける国 強制不妊で28日初判決

2019/5/23 22:52
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旧優生保護法下で不妊手術を強いられた宮城県の女性2人が国に損害賠償を求めた訴訟は28日、仙台地裁で判決を迎える。地裁が旧法の違憲性を認めて国に支払いを命じるのかが焦点だ。同種訴訟で全国初の司法判断に注目が集まる。国は地裁から違憲性の認否を再三迫られたが、最後まで回答を避けた。

原告側は旧法について「子を産み育てるかどうかの自己決定権を侵害、法の下の平等に反し違憲だ」とし、国が救済措置を怠ってきたと主張。国側は「救済制度を立法する義務はなかった」と反論し、手術から20年の除斥期間が経過し、賠償請求権は消滅したと訴える。

「社会的な影響を踏まえると、憲法判断を回避する予定はない」。昨年6月の口頭弁論で中島基至裁判長は明言。違憲性に関する見解を示さない国に明らかにするよう要請した。しかし国は7月に提出した準備書面で合憲か違憲かは「争点とならない」として言及を避けた。

さらに地裁は8月の弁論準備手続きでも要求したが、国は応じないまま今年3月に結審した。原告側弁護団の一人は「国が認否しないのは違憲性を争わないということだ。裁判所は違憲と判断すると思う」とにらむ。

一方で議員立法による強制不妊救済法が4月24日、訴訟に先行する異例の形で成立した。被害者への一時金320万円の一律支給が柱だが、各地の訴訟での請求額は1人当たり3千万円台と隔たりは大きい。安倍晋三首相は「政府としても真摯に反省し、心から深くおわびする」との談話を発表したが、救済法と同様に国の法的責任には触れなかった。

被害者救済制度について、全国被害弁護団の新里宏二共同代表は「仙台地裁で被害に向き合った判決が出れば、それを踏まえた再検討が必要だ」と話している。〔共同〕

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