ゴーン事件、争点整理始まる 証拠開示で協議難航も

2019/5/23 19:55
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日産自動車元会長、カルロス・ゴーン被告(65)を巡る一連の事件で、公判に向けて争点や証拠を絞り込む公判前整理手続きが23日、東京地裁で始まった。ゴーン元会長側は全面的に無罪を主張しており、捜査で集めた証拠を幅広く開示するよう検察側に求めるとみられる。証拠開示の範囲などを巡って協議は難航する可能性もある。

公判前整理手続きのため東京地裁に入るカルロス・ゴーン元会長(23日、東京都千代田区)

関係者によると、23日の手続きでは、サウジアラビアの実業家側に日産の資金を不正支出したなどとされる「サウジルート」の特別背任事件を中心に、今後の証拠開示や争点整理の進め方が話し合われた。ゴーン元会長本人も出席したが、発言は冒頭の人定質問に答えた時だけだったという。

公判前整理手続きでは、まず検察側が公判で主張する内容をまとめた「証明予定事実」を提出し、立証に使う証拠を開示する。弁護側も証拠を検討したうえで主張を明らかにし、対立する争点を絞り込んでいく。

オマーンの販売代理店に不正支出した資金を還流させたとされる「オマーンルート」の特別背任事件について、検察側はまだ証明予定事実を提出していない。この日の手続きで地裁は、オマーンルートの証明予定事実も6月21日までに提出するよう検察側に求めた。

一連の事件で、検察側は公判前整理手続きの開始を待たずに供述調書などの証拠の一部を開示しているが、ゴーン元会長の弁護団はさらなる開示を求めている。

弁護側が事件関係者の調書について証拠採用に同意しなかった場合、関係者本人を証人として法廷に呼んで尋問を行うことになる。日産の西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)や、日本版「司法取引」で検察と合意した元側近らについて、弁護団は調書に同意せず、証人尋問を求める公算が大きい。

役員報酬を有価証券報告書に過少に記載したとされる金融商品取引法違反事件では、他に日産の元代表取締役、グレッグ・ケリー被告(62)、法人としての日産も起訴されており、特別背任事件とは別に6月から公判前整理手続きが始まる。

東京地裁は、日産が検察の捜査に協力してきた経緯を踏まえ、3者の公判を分離せずに一体で行うことを決定。3者全てが同意しない証拠は採用しない意向を示しているとされる。

証拠の開示や採否、証人の選定などが難航し、公判前整理手続きは長期化する可能性もある。弁護団の弘中惇一郎弁護士は初公判の時期について「2020年春ごろ」との見方を示している。

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