2019年6月26日(水)

河野氏、仲裁委開催受け入れ求める 日韓外相が元徴用工問題協議

政治
朝鮮半島
2019/5/23 20:00 (2019/5/24 4:42更新)
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【パリ=白石透冴】河野太郎外相は23日、訪問先のパリで韓国の康京和(カン・ギョンファ)外相と会談した。韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた元徴用工訴訟をめぐり、日本が要請した仲裁委員会の開催を受け入れるよう要求した。第三国を交えた枠組みで決着を図る考えだが、韓国側は回答を留保したもようだ。日本は要請に応じることが関係修復の一歩とみて働きかけを強める。

韓国の康京和外相(右)と握手する河野外相(23日、パリ)=共同

韓国の康京和外相(右)と握手する河野外相(23日、パリ)=共同

会談後、記者団の取材に応じた河野氏は「(韓国側に)一刻も早い仲裁の委員任命をお願いしたいと思う」と語った。一方で「その前に韓国がしっかりとした対応を取ることを、妨げるものではない」と説明し、仲裁委によらない解決策も探るよう韓国側に求めた。

河野氏は6月下旬に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議について触れ「早急に、できればその前に対策を確定してほしい」と韓国側に求めた。日本の外務省関係者によると、康氏から仲裁委の開催を受け入れたとの明言はなかった。

両氏の約3カ月ぶりの会談は冒頭から対立ムードが漂った。両氏は硬い表情で目をあわせず短時間握手。康氏は「難しい問題が解決されることを期待する」と述べた。河野氏は日本企業の判決履行を求めた同日の韓国外務省報道官の記者会見に言及し「ことの重大性を理解していない大変な発言だ。こうしたことが日韓関係を非常に難しくしている」と批判した。

日本政府は元徴用工問題について1965年の日韓請求権協定で解決しており、賠償には応じられないとの立場だ。韓国政府によると、会談で康氏は「日本側も被害者の苦痛と傷を癒やすため共に努力する必要がある」と強調した。同問題をめぐる両国の認識の溝は埋まらなかったようだ。

日本政府が20日に仲裁委を要請してから初めての顔合わせだった。仲裁委の要請は協定締結から50年あまりで初めての事態だ。仲裁委を開くには要請から30日以内に日韓両国がまず1人ずつ委員を選ぶ必要がある。この間に韓国側が具体的な対応策を示すかが今後の焦点になる。

韓国が日本の要請を無視し仲裁委が開けなければ、日本は国際司法裁判所(ICJ)に提訴する構えだ。原告側は日本製鉄不二越の韓国内資産の売却手続きに着手しており、現金化された場合は日本政府による経済制裁などの対抗措置が現実味を増す。関税引き上げなどの応酬になれば、両国の経済への影響も計り知れない。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は6月のG20首脳会議にあわせ、安倍晋三首相との会談を実現したい意向だ。韓国が日本の要請への対応策を何も示さなければ、首脳会談の実現も難しくなるとの見方がある。日韓関係が悪化の一途をたどれば、北朝鮮問題で日米韓の足並みの乱れにつながりかねない。

日本政府は1月から約4カ月間、韓国に2国間協議を要請してきたが、韓国は応じなかった。日本の外務省内には「日本の危機感は韓国に伝わっていると思うが、韓国政府は国内世論を気にして簡単に姿勢を変えられないだろう」との声が漏れるなど韓国への不信感は強い。

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