2019年8月21日(水)

特殊詐欺で使用者責任を認定 暴力団トップに初適用

2019/5/23 18:07
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暴力団住吉会系の組員らによる特殊詐欺の被害者が住吉会の会長らトップに計約700万円の損害賠償を求めた訴訟で、水戸地裁(前田英子裁判長)は23日、会長らに対し605万円の支払いを命じた。組員が住吉会の威力を利用して「受け子」を集め、詐欺グループを構成したと認定。会長らは暴力団対策法上の使用者責任を負うとの判断を示した。

賠償を命じられたのは関功会長と福田晴瞭・前会長。暴対法は2008年施行の改正で、指定暴力団の組員が威力を利用した資金獲得行為で他人の生命や身体、財産を侵害した場合、トップらが損害賠償責任を負うと規定。原告側代理人によると、特殊詐欺で暴力団トップにこの暴対法の使用者責任を適用したのは全国で初めて。

24日には東京地裁で同種訴訟の判決が予定されており、同様の判断が定着し、被害者救済の新たな道筋が開かれるかが注目される。

前田裁判長は判決理由で、組員が被害者に直接威力を使わなくても、共犯者集めなど犯罪実行までの過程で威力を利用していれば、使用者責任が生じると指摘。今回の事件では、組員が暴力団員として恐れられていることを利用して知人の男に受け子を探させ、詐欺を実行したことから、会長らは「損害を賠償する責任を負う」とした。

組員と知人の男、当時大学生だった受け子の計3人は、詐欺や詐欺ほう助の罪に問われ、水戸地裁で有罪判決を受けている。

判決によると、被害者の女性3人は16年7月から8月にかけ、自宅で電話を受けた際に親族を装った人物から「金が必要だ」などと持ち掛けられた。うち1人はうそに気付いて現金を渡していなかったことから、請求を棄却した。

同種の訴訟では、暴力団極東会傘下組織の組員に金をだまし取られた男女が極東会元会長に損害賠償を求め、東京地裁が16年9月の判決で暴対法上の使用者責任規定を適用せず、民法上の使用者責任を認定した例がある。

住吉会は東京都港区に本部を置き、18年末時点で構成員は約2800人に上る。山口組に次ぐ2番目の規模で、勢力は18都道府県に及ぶ。〔共同〕

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