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野口、速さ磨いて頂点へ 25日からクライミング複合ジャパンカップ

2019/5/23 17:32
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東京五輪で初採用されるスポーツクライミングの複合ジャパンカップ(CJC)が25日、愛媛県西条市で開幕する。いまや世界有数のボルダリング強国となった日本だが、五輪で実施されるのはスピード、リードを加えた3種目で争う複合のみ。王者になるにはオールラウンドな力が必要だ。8月の世界選手権の代表選考を兼ねたCJCは、不慣れな種目に力を注いできた日本選手たちが自分の現在地を知るための里程標となるはずだ。

女子の先駆者、野口啓代は五輪の頂点に向けスピードの強化に余念がない(写真は12日のau スピードスターズ)=共同

女子の先駆者、野口啓代は五輪の頂点に向けスピードの強化に余念がない(写真は12日のau スピードスターズ)=共同

「さらに自己ベストが更新できる感触がある」。スピードのスペシャリストが海外から多数参戦した国際大会「auスピードスターズ」(12日)。そこで7位に食い込んだ野口啓代(TEAM au)がうなずいた。

高さ15メートルの壁を登るのに要した時間は9秒758。7秒台の世界記録との差は大きいが、野口の顔に納得の色がある。1年前は11秒台だった自己ベストは昨秋に10秒台になり、今春の中国の大会で9秒69に。「(いまでは)安定して9秒台が出る」。伸び盛りの充足感に浸っている。

ボルダリングでワールドカップ(W杯)年間女王4度の野口にとって、スピードの強化は埋めなくてはならない最後のピース。完登回数を競うボルダリングと到達高度を競うリードには通底するものがあり、リードに対する苦手意識はない。壁に埋め込まれたホールド(突起物)を手掛かりに、ルートセッターが仕掛けた謎を解くという要諦はほぼ同じ。だが、世界共通の壁を駆けのぼってタイムを競うスピードに謎解きの要素はない。

もうすぐ30歳。これから世界一のスピードスターにはなれないが、3種目の順位をかけ算して優劣を決める複合で、1つでも大きく劣る種目があると金メダルに届かない。今季は3種目の総合力アップを重点課題とし、国内では珍しいスピードの専門家、池田雄大(千葉県連盟)の指導を仰いでいる。

「まだ登るのに足元を見てしまう。ロスしている部分がある」。これらの課題は伸びしろを示してもいる。「世界選手権までに8秒台も」。その腕試しとなるのがCJCだ。昨季ボルダリングW杯年間女王で、11日の大会で8秒707の日本記録を出した野中生萌(XFLAG)らとの力関係もここで見えてくる。

野口にとどまらず、パズル感覚のボルダリングを"偏愛"してきた日本人選手の多くは、複合方式による五輪採用が決まったことで、苦手な科目が入試に組みこまれた受験生のように途方に暮れた。だがこのピンチをチャンスに変えて国内の席次を上げる選手もいる。

緒方良行(右)はスピードで日本新記録を出し、勢いに乗ってジャパンカップに挑む=共同

緒方良行(右)はスピードで日本新記録を出し、勢いに乗ってジャパンカップに挑む=共同

スピードスターズで男子の緒方良行(神奈川大)は自己ベストを0秒4近く縮めて6秒373の日本新記録をマークした。日本最速の称号を引っさげて代表争いに名乗りを上げた格好だ。ボルダリングW杯通算4勝の楢崎智亜(TEAM au)や昨年世界選手権王者の原田海(日新火災)らに実績で劣るものの、今季はボルダリングでもW杯の表彰台に上るほどの力を示し、「バランスは取れている自信はある」と鼻息を荒くする。

昨年9月の世界選手権複合は、原田と野口の4位が男女それぞれの日本人最高位だった。この時はスピードでスタートのミスが頻出したが、その後も日本記録の更新が相次ぎ、日進月歩。「日本選手は練習量が足りなかっただけ。やればやるほど伸びる。スピードが苦手という通説は昔話」と池田は語る。お家芸のボルダリングを生かすも殺すもほかの2種目。うまく折り合った者が混戦を制し、五輪の壁を登ることになる。(西堀卓司)

 日本の東京五輪代表枠は開催国枠1枠を含めて男女とも最大2人。今年8月に東京都内で開催される世界選手権の複合で7位以内に入った日本選手最上位1人ずつが内定する。
 昨年大会の成績からみても7位以内のハードルは決して高くないだけに、まずは今月のCJCで男女各5~6人の世界選手権複合代表に入ることが五輪切符への近道だ。五輪強化で最高のSランクの選手はCJCで決勝に進出することが条件で、このほかは上位進出者などから選出する。

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