丸井、「ファブリック トウキョウ」と提携 体験型店舗を拡大

丸井グループは23日、オーダースーツ販売のFABRIC TOKYO(ファブリック トウキョウ、東京・渋谷)と資本業務提携を結んだと発表した。ファブリック社は顧客が実店舗で採寸してネットで購入できる仕組みで成長する。丸井は提携を通じ、ネットとリアルの融合につなげる。
両社は出資比率や金額は明らかにしていない。ファブリック社は丸井を引受先とした第三者割当増資を行った。ファブリック社によると、今回の増資で累計の資金調達額が20億円を突破したという。
ファブリック社はもともとネット専業だった。現在は採寸などを行う実店舗を10店構え、このうち、3店が「新宿マルイ 本館」(東京・新宿)や「渋谷モディ」(同・渋谷)など丸井の店舗に入居する。丸井は出資を通じ、ファブリック社の店を他の丸井店舗にも出店してもらう。
丸井は衣料品などの販売不振が続くなか、ネット通販やシェアサービスなどを手掛け、実店舗を持たない企業の誘致を積極化する方針を示している。消費者が実際に商品を手に取り、サービスを知ることができる「体験型」の店を増やすことで、若者の来店頻度を高められるとの読みだ。
2018年11月には「新宿マルイアネックス」(東京・新宿)に電子ペン大手、ワコムの直営店を誘致した。店舗では販売はしないが、ワコムの全製品を試すことができるのが特徴だ。こうした店舗を増やすことで、ファッションビルやショッピングセンター(SC)などとの違いを鮮明にする。