2019年6月20日(木)

米民主党でトランプ氏弾劾論が再び強まる

トランプ政権
米大統領選
北米
2019/5/23 15:03
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【ワシントン=中村亮】米野党・民主党内でトランプ大統領を弾劾すべきだとの意見が再び強まってきた。ペロシ下院議長は22日、トランプ氏がロシア疑惑の議会調査に協力しない姿勢をあげ「弾劾可能な違反になりうる」と指摘した。トランプ氏に厳しい左派だけでなく、党幹部からも弾劾を求める声があがる。トランプ氏は弾劾論に猛反発しており、政策停滞のリスクが高まり始めた。

ペロシ米下院議長はトランプ大統領の弾劾発議の条件として世論の支持を求める(22日、ワシントン)=ロイター

「大統領は捜査妨害を犯し、疑惑を隠蔽している」。ペロシ氏は22日の講演でトランプ氏を強く批判した。トランプ氏はロシア疑惑捜査を妨害した疑いをめぐる自身の言動を深く知る元法律顧問の議会証言を認めず、21日に予定した公聴会は事実上成立しなかった。ペロシ氏は政権監視の役割を担う議会を軽視したとの考えを示し、弾劾の可能性に踏み込んだ。

ペロシ氏はこれまで一貫して弾劾論に距離を置いてきた。4月下旬には弾劾発議に関し「そこまで至っていない」との認識を示した。民主党が多数派を占める下院でトランプ氏を弾劾訴追できても、与党・共和党が過半数の上院で罷免する見通しが立たないからだ。

ペロシ氏が弾劾をちらつかせ始めたのは民主党内の論調に配慮した面が大きい。党幹部のイライジャ・カミングス下院議員は21日「トランプ氏が情報開示を拒否すれば疑惑調査が進まない」と指摘した。不正疑惑の証拠集めを優先する方針を転換させて「残された手段は弾劾しかない」と語った。左派のオカシオコルテス下院議員も「弾劾に向けた審理くらいは始めるべきだ」と訴えた。

一方、ペロシ氏が実際に弾劾発議に踏み切るかは不透明との見方が目立つ。米CNNテレビの世論調査によると、弾劾支持は4月末時点で37%にとどまる。世論を無視した弾劾は政策推進を求める米国民の反感を買い、20年の大統領選で民主党候補が不利な状況に追い込まれるリスクを伴う。

トランプ氏は民主党内の弾劾論を批判する。22日の緊急記者会見では「私は疑惑を隠蔽していない」「最も透明性の高い大統領だ」と主張した。疑惑追及が続く間は超党派で進める予定だったインフラ投資計画の協議を打ち切る方針も示した。

政権と民主党の対立は北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定の批准や債務上限の引き上げをめぐる与野党の協議に水をさしかねない。

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