2019年6月18日(火)

揺らぐ欧州統合路線 欧州議会選、投票開始

ヨーロッパ
2019/5/23 0:47
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【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)の欧州議会選(定数751)の投票が23日に始まる。約4億人の有権者が欧州の統合を推進するか、ブレーキをかけるかの審判を下す。欧州議会の予想ではEUに懐疑的な会派が全体の議席の3割に届く勢い。一方、親EU派は大きく議席を減らす見通しだ。EUの将来を左右する選挙の行方に注目が集まっている。

「(EU本部がある)ブリュッセルに占拠された欧州を解放する時が来た」。18日、イタリア北部ミラノで開いた選挙集会で、イタリアの極右「同盟」党首のサルビーニ副首相が「欧州を変える」と気炎を吐くと、集まった数千人の支持者が歓声を上げた。

集会にはフランスの国民連合のルペン党首ら各国の極右政党の代表が結集した。同氏は「野蛮なグローバリゼーションの風を吹かすEUはもうたくさんだ」と訴えた。

選挙は英国とオランダを皮切りに26日まで各国で実施する。政治専門メディア「ポリティコ」の予想では全28加盟国中、イタリアやフランスなど10カ国近くで、EUに懐疑的な極右やポピュリズム(大衆迎合主義)政党が躍進する見通し。

EUからの離脱(ブレグジット)を目指しながらも欧州議会選に参加する英国やフィンランド、ハンガリー、オランダ、ポーランドなどでもEUに懐疑的な政党が第1党に届く勢いだ。

一方、親EUの中道右派、中道左派の二大会派は議席を減らし、合計議席数が直接選挙を導入した1979年以降で初めて過半数を割り込む可能性が大きい。メルケル独首相やユンケル欧州委員長らが所属する欧州人民党(EPP、中道右派)は最大会派の地位は維持するものの、議席数を50弱減らしそうだ。

親EU派の新興勢力がマクロン仏大統領率いる「共和国前進」だ。マクロン氏は選挙を「欧州のルネサンス(再生)」と位置づけ、極右「国民連合」と接戦を繰り広げている。「国民連合が第1党にならないように全力を尽くす」。マクロン氏は9日、記者団に語った。親EU派を掲げる同氏にとり、欧州統合にブレーキをかける極右に敗北すれば、政治生命の危機にもつながりかねない。

懐疑派の伸長はEUの政策を左右する可能性がある。親EUの二大会派は議席が過半数を割った場合、マクロン氏の「共和国前進」など親EU派の会派と組んで多数派を維持したい考えだ。

結果は26日深夜(日本時間27日朝)に判明する見通し。EU各国首脳は28日に臨時の首脳会議を開き、秋に任期を迎える欧州委員長やEU大統領、欧州中央銀行(ECB)総裁の次期体制を議論する。

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