英鉄鋼大手が経営破綻 EU離脱で受注減か

2019/5/22 21:14
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【ロンドン=佐竹実】英鉄鋼2位のブリティッシュ・スチールが22日、管財人の法的管理下に入り経営破綻した。債務超過に陥り、英政府に対し3000万ポンド(約42億円)の緊急融資を要請していたが認められなかった。同社は、英国の欧州連合(EU)離脱に伴う不透明感で受注が減少して破綻したと主張している。

ブリティッシュ・スチールは経営破綻した(2017年に同社の従業員らと話すメイ首相(中))=ロイター

同社は約5千人の従業員を抱え、取引先なども含めると2万人に影響する可能性がある。クラーク・ビジネス・エネルギー・産業戦略相は22日、「地元経済への打撃も考慮し、管財人などと協力して工場の操業を守りたい」と述べた。

ブリティッシュ・スチールは建築用鋼材や鉄道の線路などを生産している。非上場だが、政府に提出した決算資料によると、2018年3月期の売上高は約11億7千万ポンド(約1600億円)、最終損益は約1900万ポンドの赤字だった。経営難が続き緊急融資を要請したが、EUの環境規制に対応するためとして政府から1億2千万ポンドの融資を受けたばかりで、認められなかったようだ。

英産業界ではEU離脱を巡って混乱が続いている。ホンダが英撤退を決め、日産自動車も多目的スポーツ車(SUV)「エクストレイル」の生産を日本に切り替えると発表した。製造業の撤退は鉄鋼需要の減少に直結し、鉄鋼業界にとって死活問題となる。野党の労働党からはブリティッシュ・スチールの国有化の案も出ている。

ブリティッシュ・スチールは旧国有企業がルーツ。インドのタタ製鉄の傘下となったが赤字が続き、16年に英投資会社グレイブル・キャピタルが1ポンド(約140円)で買い取っていた。

グレイブル・キャピタルは22日、「従業員や労働組合、経営陣は事業強化へ一心に取り組んできたが、EU離脱による追加の打撃を克服できなかった」との声明を出した。

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