2019年6月17日(月)

豪首相、週内にも新内閣 与党が過半数 安定政権に道

南西ア・オセアニア
2019/5/22 20:36
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【シドニー=松本史】18日に投開票されたオーストラリア総選挙(下院、定数151)で、モリソン首相率いる与党・保守連合(自由党と国民党)の過半獲得が確実となった。劣勢予想を覆しただけでなく、少数与党だった改選前から逆に議席を伸ばしたことで、モリソン氏は安定した政権運営を続ける基盤を得た。同氏は週内にも新内閣を発表し、今後、有権者の期待が高い所得減税などに取り組む。

モリソン首相(右)は中銀のロウ総裁(左)と経済情勢について協議(22日、シドニー)=AAP

豪公共放送ABCによると22日(開票率79%)時点で、保守連合の獲得議席数は76(改選前74)、野党・労働党は65(同69)、少数政党や無所属議員は6、未確定が4となっている。保守連合は最大78まで議席を伸ばす可能性がある。

「我々はこれまでも非常に有能な政府だった」。軒並み野党優勢だった世論調査を覆す形で勝利を決めたモリソン氏は21日のテレビのインタビューで、今後の政権運営に自信を見せた。

番狂わせの背景には豪州経済の停滞がある。これまで27年超と世界最長の景気拡大を続けてきたが、豪準備銀行(中央銀行)のロウ総裁は21日、2018年後半から豪経済が減速したと指摘した。

与党は4月に発表した19年度(19年7月~20年6月)予算案で幅広い層に税還付する方針を示したほか、雇用創出などの経済政策を公約に掲げ、支持を集めた。フライデンバーグ財務相は21日に「議会再開後(減税法案可決に)最優先で取り組む」と強調したほか、22日にはモリソン氏と豪準備銀行を訪れ、ロウ総裁と経済情勢を協議した。

モリソン氏は早ければ週内にも重要閣僚を任命する。選挙前に国防相や防衛産業相、女性担当相など有力閣僚が相次ぎ辞任して空席が多く、若手議員が複数登用されるとみられる。

豪州は07年から約12年間にわたり、選挙勝利後に任期を全うした首相が出ていない。いずれも与党の内紛で党首(首相)を交代しており、保守連合も自由党内の政争で15年と18年に首相が交代して国民の不興を買った。

モリソン氏は首相就任後の18年末に党則を改正し、首相の座にある党首の交代には党所属連邦議員の3分の2の賛成を要すると定め、条件を厳格化した。「モリソン政権が(下院任期の)3年続く」と見る向きは多い。

ただオーストラリア国立大学のジョン・ワーハースト名誉教授は政権の課題に「上院のパワーバランス」を挙げる。総選挙に合わせ約半数が改選された上院(定数76)では、保守連合の議席数は33~34にとどまる見通しで、改選前の31議席からは増えるが過半には届かない。豪州の上院は下院と対等に近い力を持ち、減税法案などで野党の支持が得られない場合、与党は少数政党との交渉が必要になる。

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