渇水の宇連ダムで思わぬ騒動、60年前の橋に見学客殺到
34年ぶりに貯水率がゼロとなった豊川水系の宇連ダム(愛知県新城市)で思わぬ騒動が起きている。湖底から出現した橋などを一目見ようと、週末の18、19日に見学者が殺到。狭い道路に車が集中して渋滞したほか、立ち入り禁止の湖底に入り込んで写真撮影する見学者がおり、水資源機構が注意を呼びかけている。

宇連ダムは19日に貯水率がゼロとなり、約60年前に沈んだ橋などが出現して話題となった。車で出向き、スマートフォンなどで湖底の様子を撮影する人が訪れたことで周辺が混雑したという。
同機構によると、ダム周辺は道幅が狭く、多くの車が一度に詰めかけると渋滞となりやすい。湖底はぬかるみで危険なほか、見学者が立ち入ると水が汚染されるリスクがある。同機構は「地元の人の迷惑となり、苦情も出ている。(ダム周辺などから)ルールを守って見学してほしい」と呼びかけている。
20~21日の降雨で宇連ダムの貯水率は10%以上に回復した。同機構は貯水率の回復を受け、23日から農業、水道、工業用水の取水制限を15%から10%に引き下げることを発表している。