2019年7月18日(木)

競馬実況アナ日記

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ウインブライト念願のV 香港で聴く君が代に感動

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2019/5/25 6:30
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ビートザクロックが昨年3着から飛躍し、G1で2勝目を飾ったチェアマンズスプリントプライズ、ビューティージェネレーションが楽々と後続を突き放し、生涯獲得賞金額を香港1位としたチャンピオンズマイルが終わると、メインのクイーンエリザベス2世カップです。今年は13頭立てで、日本勢はG1勝ち馬のリスグラシュー、ディアドラと重賞連勝で勢いに乗るウインブライトが参戦しました。

地元勢は昨年の香港ヴァーズを勝ったエグザルタントがエース格で、連覇に挑むパキスタンスター、香港ダービーを制した4歳の新星フローレといったところが人気を形成。現地でもJRAによる馬券発売でも、エグザルタントが人気を集めていたため、この馬と日本勢を意識した実況を考えていました。

手を高々と上げる騎手見て電流走る

レースが始まると、予想通り一昨年、昨年の香港カップを逃げ切ったタイムワープとグロリアスフォーエバーの兄弟2頭が先手を取りました。4コーナーに入ると、外から手応え良く押し上げるリスグラシューとエグザルタントが目に入ってきましたが、同じくらい目に入ったのが、1番枠を生かしてロスなく、馬群の内でじっと機をうかがっているように見えたウインブライトでした。

最後の直線。地元のパキスタンスターが先頭に立って場内が盛り上がる中、進路が開いて真っ先に捉えに来たのが白と赤の勝負服、ウインブライトでした。外からエグザルタント、リスグラシューも差を詰めるものの、ほぼ勢いは同じ。これはウインブライトだ!と一気にボルテージが上がりました。

ゴール寸前、松岡正海騎手が左手を高々と上げるのが見えた瞬間、体に電流が走るような感覚になりました。こんな感覚は今まで味わったことがありません。そこで口にした言葉が「ウインブライト、松岡正海やった! ゴールイン!!」。事あるごとに「この馬でG1をとりたい」と語っていた、並々ならぬ思いを持っている馬だと知っていたので、人馬の悲願なる瞬間が来た!という思いからとっさに出た言葉でした。

ゴール寸前、左手を高々と上げる松岡正海騎手(左)=共同

ゴール寸前、左手を高々と上げる松岡正海騎手(左)=共同

実況を終えて検量室前に走り、表彰式で「君が代」が流れてきた瞬間、自然と背筋が伸びて歌詞を口ずさんでいました。「異国の地で聞く『君が代』に感動する」というのは、紛れもなく本当だったのです。

レース後会見で「直線は厩舎スタッフと一緒に見ていましたが大騒ぎでした」と語っていた畠山調教師に「勝つところを実況できて最高でした」と感謝を伝えて握手できたのが、今回の出張で一番の収穫だったのかもしれません。実況には冷静さを欠くところもあり、反省点も多々ありましたが、今回も自分にとって、人生の中でも相当インパクトのある海外出張だったことは確かでした。

ウインブライト陣営は今年下半期の目標に、12月の香港カップを据えているとのことです。ビューティージェネレーションは選択肢に挙げていた安田記念への遠征を見送りましたが、おそらく今年も香港マイルでこれに挑む日本馬がいるでしょう。一段と盛り上がりそうな香港国際競走、筆者がまた実況するのかは分かりませんが、あと半年余り、有力馬の走りを楽しみに見守りたいと思います。

(ラジオNIKKEIアナウンサー 大関隼)

 各アナウンサーが出演、ラジオNIKKEIの競馬番組はこちらでチェック! http://www.radionikkei.jp/keibaradio2/

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