競馬実況アナ日記

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ウインブライト念願のV 香港で聴く君が代に感動

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2019/5/25 6:30
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2011年、ヴィクトワールピサが日本馬で初めてドバイ・ワールドカップを制したとき、現地でその瞬間を見届けた方々が口々に「異国の地で聴く『君が代』に感動を覚えた」と語っていました。以来、実況アナウンサーという立場でそんな瞬間に立ち会えたら、と思っていたところで18年、人生初の海外渡航を経験しました。日本中央競馬会(JRA)による海外馬券発売が行われるレースを実況するため、香港へ行くことになったのです。もちろん公平さを心がけつつ「日本馬勝利の瞬間を実況できれば」と思って現地へ向かいましたが、現実はそう甘くありませんでした。

次に海外へ行くのはいつかと思っていたら、3つのG1競走が同じ日に行われるチャンピオンズデーの実況のため、2年連続で春に香港へ行くことに。今回の出張にも、インパクトのある光景が待っていました。

香港競馬のクイーンエリザベス2世カップで優勝したウインブライトと松岡正海騎手=共同

香港競馬のクイーンエリザベス2世カップで優勝したウインブライトと松岡正海騎手=共同

筆者が現地入りしたのはレース2日前の4月26日(金)午後。夜のガラパーティーの場所は「大館」という観光スポットでした。19世紀に建てられた香港中央警察などの歴史的建造物を修繕して昨年オープンした複合文化施設です。場内では大掛かりなプロジェクションマッピングが展開されるなど、やはり海外の大レース前のイベントの華やかさは、何度味わっても新鮮な気分になります。

実はこの席で、乾杯のときに偶然、近くでご挨拶させていただいたのが、ウインブライトで参戦した畠山吉宏厩舎の関係者の皆様でした。厩舎初の海外レース挑戦、「海外G1に馬を送り出せるのは光栄」という話を聞くと、やはり気持ちは高ぶるもの。「勝つところを実況できるのを楽しみにしています」――。今振り返れば、何かご縁があったのかもしれません。

海外現地実況も「いつも通り」を意識

迎えた当日は予報に反して朝から好天。気温も上がって、場内を歩けば競馬専門紙とマークカードを携えたファンの方々が集まり、1レースから大歓声。今年のチャンピオンズデーも熱気に包まれていました。

過去2回の海外現地実況で、緊張感にのまれた筆者が今回考えていたのは「いつも通り」を意識すること。実況のルーティンも極力日本と同じにするため、G1前のレース3つも本番と考え、計6レース分の準備をしておき、国内で実況するときのパターンを変えないようにしました。

香港は本馬場に馬が入場してから発走までが5~6分と日本より短く、昨年はそこで馬名が頭に入りきらず失敗しました。その経験から「勝負服と馬名を見慣れた、覚えやすいものにすればいい」と考えました。そこで、出張が決まった後、G1につながる参考レースを意識的に何度も見るようにしました。香港は主催者のウェブサイトも充実していて「点ではなく線で捉えやすい」面はあるにせよ、効果は十分でした。実際、過去2回よりもレース前に勝負服を見た瞬間、馬名と大まかな過去のレースぶりが思い浮かぶ安心感がありました。

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