2019年6月17日(月)

地銀協の柴戸会長「統合は手段、戦略次第」

金融機関
九州・沖縄
2019/5/22 19:00
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全国地方銀行協会の柴戸隆成会長(福岡銀行会長兼頭取)が22日、6月の任期満了を前に最後の定例記者会見を都内で開き、「(地銀を取り巻く)環境変化の速さを実感した1年だった」と振り返った。人口減による資金需要の先細りやマイナス金利政策など地銀経営の厳しさが増すなか、「地域経済から地銀に求められるニーズは変化しており、応えていく必要がある」と語った。

会見する地銀協の柴戸会長(22日、東京都中央区)

人口減が地域経済の成長力を押し下げ、営業基盤は縮小している。さらに金融とIT(情報技術)を融合した「フィンテック」企業の台頭や流通系企業など異業種の銀行業参入で、競争が激化。柴戸会長は「持続的なビジネスモデルを構築し、永続的に安心安全な金融サービスを提供できる」ように、業界団体として規制緩和を求めてきた。

具体的には銀行がITや不動産賃貸などに業務を広げられるよう昨秋、国に緩和を要望。4月には銀行による事業会社への出資を制限する「5%ルール」の緩和を求め、同ルールについて金融庁は一部緩和する方針を伝えているようだ。

柴戸会長は「(要望は実現しておらず)道半ばでのバトンタッチになる。継続的に取り組む必要がある」と、後任として会長に就く常陽銀行の笹島律夫頭取に託す。

福岡銀行が地銀協の会長行を務めたのは、13~14年の谷正明元頭取以来2回目。スルガ銀行などのアパートローンを巡る不正融資問題が顕在化するなど、地銀に向けられる視線は厳しさを増し、「プレッシャーは大きかったのではないか」(関係者)との声もある。

福岡銀を傘下に持つふくおかフィナンシャルグループ(FG)はこの間、十八銀行との3年越しの経営統合を果たし、総資産23兆円超と名実ともに全国トップの地銀グループになった。だが「合従連衡は手段。持続的な成長と地域経済への貢献が目的だ。統合が正解かどうかは、各行の戦略次第」と気を引き締める。

柴戸会長は18年6月の就任会見で「政府が一つになって統合のガイドライン(指針)を示してほしい」と述べていた。ふくおかFGの統合が長引いたことを受け、政府は未来投資会議で地銀の県内統合の高いハードルとなっていた独占禁止法適用に例外を認め、再編を促す方向で議論を進めている。

十八銀行と親和銀行は20年10月に合併するが、長崎経済の活性化とふくおかFGの成長を同時に実現できるのか、予断を許さない。統合効果を引き出し、地銀再編の成功モデルにできるか。地銀協会長退任後も、果たすべき役割は重い。(今堀祥和)

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