核・ミサイル開発なお継続 北朝鮮、新拠点相次ぎ発覚

2019/5/22 20:11
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【ソウル=恩地洋介】北朝鮮が核・ミサイル開発を継続している最新の状況が米国の分析サイトなどで判明した。北朝鮮は5月に2度、短距離ミサイルなど飛翔(ひしょう)体を発射したほか、新たな拠点を設けて開発を続けている。北朝鮮指導部は経済制裁を緩めない米国への反発を強めており、非核化を巡る米朝の対話再開の機運は遠のいている。

9日に北朝鮮が発射した短距離ミサイル=朝鮮中央通信

韓国メディアによると、北朝鮮が短距離弾道ミサイルを発射した今月9日以降も、通常と異なる移動式発射台などの動きが確認されている。ロシア製の模倣とみられる新型ミサイルは通常の弾道弾よりも低高度を飛び、迎撃が難しいとの見方から韓国軍は新たな脅威と受け止めている。

北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射に踏み切るとの観測もある。4月には北朝鮮東部の新浦(シンポ)で新型潜水艦を建造しているとする韓国軍当局の見方が取り沙汰された。

新たな拠点も次々と明るみに出ている。米戦略国際問題研究所(CSIS)は平壌近郊の新たなミサイル基地の存在を公表した。基地は「ユサンニ」と呼ばれ、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の「火星15」などを格納していたもよう。北朝鮮研究サイト「38ノース」は先週、東倉里(トンチャンリ)のミサイル発射実験場で新たな組み立て施設の屋根が完成したと分析した。

こうした秘密施設の存在は米朝対話の行方に影を落とす。トランプ米大統領は19日、FOXニュースのインタビューで2月末の米朝首脳会談の内幕に触れ「金正恩(キム・ジョンウン)委員長は1~2カ所の核施設を廃棄しようとした。しかし施設は5カ所ある」と不満を呈した。

5カ所が何を指すかは不明だが、ウラン濃縮施設「カンソン」などを含むとみられる。トランプ氏は寧辺(ニョンビョン)の廃棄にのみ言及した金正恩氏に「あなたは合意の準備ができていない」と伝え、さらに「他の3カ所はどうするのか」と問いただしたという。

金正恩氏は3回目の米朝首脳会談の条件として「米が2019年末までに譲歩する」という一方的な期限を示している。米による経済制裁に反発を強めており、北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使は21日、国連安保理の制裁措置に違反したとして米国が押収した貨物船の返還を要求したうえで「凶悪な行為が及ぼす結果を考えた方がいい」と警告した。

金正恩氏は制裁が長引く現状を正当化するため、一段の引き締めを図っている。20日付の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は独裁体制が崩壊したイラクやリビアに言及し「大国におもねっても、結局は流血の動乱と民族的な惨禍を免れない」と妥協を否定した。

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