2019年6月20日(木)

コベルコ建機、日本MSと建機の遠隔操作で協業

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2019/5/22 15:47
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建機業界がデジタルを活用した建設現場の「無人施工技術」を深掘りしている。コベルコ建機は22日、日本マイクロソフト(MS)と協業し2025年にも建機の遠隔操作システムを開発すると発表した。米キャタピラーやコマツは自律運転の建機を開発する。人手不足感が強まる中、無人施工が現実になりつつある。

コベルコ建機は日本マイクロソフトとの協業について発表した

コベルコ建機は建機の遠隔操作システムを25年度にも投入する

キャタピラージャパンはデジタル基盤を活用した自律施工できる建機を開発中

キャタピラージャパンは災害時向けの遠隔操作システムを開発

コベルコ建機は22日、同日から開催されている建設・測量生産性向上展(CSPIエキスポ)で、日本MSと遠隔地から建機を操作するシステムの開発で協業すると発表した。人工知能(AI)やあらゆるモノがネットにつながる「IoT」、画像・音声認識技術を活用し、遠隔操作する建機の操作性を高めながら、遠隔で作業する基盤を構築する。

20年に商用サービスが始まる次世代通信規格「5G」を活用した建機の遠隔操作システムは、前方に施工現場が映るモニターを備え、手元にレバーを備えたコックピットのようなイメージだ。現行の4Gの10分の1の遅延で動作する5Gで、従来より精度を高められる。

今回の提携により、AIによる顔認証技術でオペレーターを認証したり、海外のオペレーターと共同で作業する際のコミュニケーション基盤などを構築できるようになる。コベルコ建機の先端技術開発部、山崎洋一郎部長は「就業機会を増やし、誰でも働ける現場にしたい」と話した。過去に同社のシミュレーションシステムを見た子連れの主婦は「これなら私も時間に縛られず作業できそう」と話したという。

一方、無人の現場で自ら作業する自律型建機の開発に着手しているのがキャタピラージャパン(横浜市)だ。同社は19年中にも、電子制御の建機のソフトを遠隔からアップデートできる体制を構築し、いわば「建機をスマホのように機能をアップデートできる」(ハリー・コブラック代表執行役員)ようにすることで施工の自動化につなげる。

熟練オペレーターの掘削や積み込みなどの動きをデータ化し、建機に反映させることで、一定の規模の工事現場で複数の油圧ショベル同士を連携させる。すでに岩を割る作業などで9割以上の精度で作業を確認しているほか、油圧ショベルで掘削、ダンプトラックへの積み込みといった作業の連携も進めている。

同日、キャタピラーは同展示会でこうした電子制御の基盤を活用し、災害時に専用機器を後付けすることで建機を400メートル程度の範囲内で簡単に遠隔操作できるシステムも発表した。「災害時や足場の悪い場所、人が立ち入れない危険作業区域での安全作業に活用してもらう」(担当者)

建機のデジタル化を巡っては、コマツが5Gを使った建機の遠隔操作やAIを使った自律施工の実証実験をすすめてきたが、競合の開発加速により実用化が現実味を帯びてきた。課題先進国の日本で、特に災害対応や人手不足・働き方改革といった観点での活用が進みそうだ。

海外でも建機メーカーのスウェーデンのボルボ・グループが5Gで同国のエリクソンと組み、中国・三一重工も華為技術(ファーウェイ)と建機のスマート化で戦略的提携をしている。建機のデジタル化競争は世界的に激しさを増しており、メーカーの働き方を含めた総合的な提案力が試される時代になってきた。

(企業報道部 西岡杏)

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