小野薬品「本庶氏との契約、合意のもと」 がん免疫薬の特許巡り
小野薬品工業は22日、本庶佑・京都大学特別教授ががん免疫薬「オプジーボ」を巡る特許料率の見直しを求めていることに対し「両者の合意のもと締結した」とのコメントを発表した。そのうえで「今後も契約に基づく対価を支払う」と料率の見直しに否定的な姿勢を示した。産学連携の成功例とされるオプジーボの研究開発の当事者の対立は平行線をたどる。
一方「対価の上乗せではなく基礎研究の促進や若手研究者の育成に資する」として、京都大学への寄付を検討していることを明らかにした。2018年11月に本庶氏側に申し入れしているが、それ以降の両者の話し合いはないという。
本庶氏は昨秋にノーベル生理学・医学賞を受賞してから、小野薬品と共有する特許について「小野薬品から得る対価が少なすぎる」と批判を繰り返してきた。4月に開いた記者会見では「特許契約時の説明内容が不正確」(同氏)と強く批判。契約料率の見直しや、自身が京大に創設した若手研究者の支援基金への1000億円規模の資金拠出を求めている。
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