2019年6月27日(木)

「低血糖を認識」 14年の御堂筋暴走 差し戻し審で有罪

2019/5/22 12:57
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大阪・心斎橋の御堂筋で2014年6月、ワゴン車が暴走し男女3人が重軽傷を負った事故で、自動車運転処罰法違反罪に問われた宮谷則幸被告(70)の差し戻し審の判決公判が22日、大阪地裁であった。野口卓志裁判長は「発進した時点で低血糖状態を感じていたと考えられる」と指摘し、差し戻し前と同じ禁錮1年6月、執行猶予3年(求刑禁錮1年6月)の有罪判決を言い渡した。

暴走し、トラック(左)などに衝突したワゴン車(2014年6月30日、大阪市中央区)=一部画像処理しています

野口裁判長は判決理由で、被告は事故の2時間前の測定時に血糖値が高い状態であったため、インスリンを注射したと考えるのが自然だと指摘。「低血糖に陥る可能性を予見しながら、漫然と運転した」とし、過失があったと判断した。

宮谷被告は同法違反(危険運転致傷)罪で15年10月に在宅起訴された。16年8月の差し戻し前の一審判決は「意識障害になる具体的なおそれを認識していたというには合理的な疑いが残る」と指摘。危険な状態を自覚していた場合に適用される危険運転致傷罪の成立を認めず、過失運転致傷罪で禁錮1年6月、執行猶予3年を言い渡した。

ただ、「被告が出発時点で低血糖症の前兆を感じていたとはいえない」とした一審判決について、17年の二審・大阪高裁判決は「前兆を感じていなければ予見可能性を認められない」と批判。過失運転致傷罪も成立しないとして審理を差し戻していた。

この日の判決で、野口裁判長は、普段から血糖値を低く保とうとしていた被告が、血糖値が高い状態でどら焼きやジュースを摂取したことは不自然と指摘。インスリン注射によって低血糖状態に陥る可能性があると認識していたと推測した。

その上で「血糖値を頻繁に測定したり、運転を差し控えたりすべきだったのに、その注意を怠った」として過失運転致傷罪にあたると判断した。

判決などによると、被告は14年6月30日午後、低血糖症で意識が低下したまま運転し、大阪・心斎橋の御堂筋でトラックや乗用車に衝突、男女3人に重軽傷を負わせた。

弁護側は「低血糖状態との認識がないまま運転しており、意識障害の予測は不可能だった」と無罪を主張していた。

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