2019年6月19日(水)

キューバ、中ロの支援で鉄道近代化へ 旅客車が到着

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2019/5/22 3:59
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【メキシコシティ=丸山修一】キューバが中国・ロシアの支援で鉄道の近代化を進める。20日、ハバナ港に中国から旅客車が陸揚げされた。すでにロシアからは機関車が到着しており、今後は線路や駅舎など関連設備の整備を本格的させる計画だ。キューバを巡っては米国が経済制裁を強める中で、支援を続ける中ロの存在感がますます高まりそうだ。

キューバに到着した中国製の旅客車(20日、ハバナ)=EFE

21日付の共産党機関紙「グランマ」などによると、20日にハバナ港に中国製の旅客車56両が到着した。一等車、二等車、食堂車の3種類で一等車はエアコン付きだという。計画では今後、さらに到着が続き、最終的には合計で240両が陸揚げされる。旅客車の総額は1億5千万ドル(約165億円)以上とみられるが、中国政府がキューバ支援として低利のローン契約を結んだという。

キューバは現在、総額で30億ドルの投資を含む「鉄道復旧発展プログラム」を進めており、今回の旅客車もその一環だ。すでにロシアからは機関車43両が到着している。ロドリゲス運輸相は「数日中には作業を始め、夏には運行を開始したい」と話しており、キューバ国内の路線でロシアの機関車に中国の旅客車を連結させた列車がお目見えしそうだ。

ロシアは車両とは別に10億ユーロ(約1230億円)を投じて、キューバ国内の線路や鉄道施設の整備を進める計画を打ち出している。2030年までの間に、ハバナを起点に東部のサンティアゴデクーバなどを結ぶ基幹路線を中心に整備を進めていく計画だ。現在はハバナ―オルギン(東部)線など多くの路線が機能しておらず、鉄道復活は政府の重点目標でもある。

キューバを巡っては対立する米国がベネズエラを支援しているなどとして急速に制裁を強めている。2日にはキューバ制裁法(ヘルムズ・バートン法)で凍結していた接収資産を巡る訴訟を全面的に解禁した。キューバ国営企業が訴訟の対象になったほか、接収された港湾を利用したとして米クルーズ船運行会社までもが訴えられた。

一方で、急速に存在感を増しているのが中国やロシアだ。政治経済的につながりの深いベネズエラは混乱が続いており、中国は貿易相手国としてベネズエラに並ぶ存在になってきている。旧ソ連時代から親交が深いロシアも近年は貿易額を増やしている。ハバナ市内のタクシーはロシア車、観光バスは中国車が目立つようになっている。このまま米の目と鼻の先で中ロの存在感が高まれば地政学的な不安定要素にもなりかねない。

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