「携帯2年縛り」違約金に上限も 総務省が議論開始
総務省は21日、改正電気通信事業法の成立を受け、携帯電話会社による利用者の囲い込みにつながっているとされる「2年縛り」の緩和などの検討を始めた。途中で解約したときの違約金や2年契約を結ばない場合の通信料の上乗せに上限を設ける方向だ。通信サービスの利用を条件に端末代を値引きする際の条件も検討する。

10日成立の改正電気通信事業法は携帯大手による通信サービスの解約を不当に妨げる行為や端末購入を条件に通信料金を引き下げることを禁止した。具体的な基準は総務省令で定めることになっている。
総務省は21日に学者や弁護士、消費者団体の幹部らの有識者会議で議論を始めた。来週には携帯大手などに意見聴取し、6月に省令改正案をまとめる。秋に改正法と同時に施行する。
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクとも2年契約の途中で解約すると9500円の違約金がかかる。ドコモとKDDIは2年契約を結ばなければ毎月の通信料が1500円、ソフトバンクは2700円上がる。有識者会議では「9500円は高すぎる。見直すべきだ」との意見があった。

2年たつと自動的に更新される商慣行については「最初の2年を終えたあとは期間の定めのない契約にすべきだ」といった意見が出た。
改正法はドコモの「月々サポート」のように端末購入を条件とした通信料の値引きを禁止した。一方で通信サービスの利用を条件とした端末代の値引きの条件は省令で定める。
ドコモは16日、6月1日からの新たな端末値引きを発表した。高価格スマホを36回払いで買い、支払い途中で端末を返却すると最大12回分の支払いを免除する。端末代が最大3分の1免除される計算だ。総務省令で定める端末値引きの条件によっては違反となる可能性がある。吉沢和弘社長は「食い違いが出るのであれば、修正していくことも考えている」と語る。 KDDIとソフトバンクは通信サービスを使いながら4年間の分割払いをする人を対象に端末代を半額にしている。KDDIは「今後の省令改正を受けて対応を検討していく」と説明している。