FRB議長「企業債務は歴史的高水準」

2019/5/21 9:58
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【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は20日のフロリダ州での講演で「企業の債務は歴史的な高水準に達しており、リスクを注視している」と述べた。2008年の金融危機時と比べると「資産バブルではなく金融システムも健全で、対処は可能だ」としたものの、投資家らに「立ち止まって検証する理由になる」と警戒を求めた。

パウエルFRB議長=AP

米企業(非金融部門)の債務残高は08年の金融危機前の水準を超えた。パウエル氏は「(08年の)住宅ローンバブルの再来という声と、現時点で心配は不要だという両極端な見方があるが、真実はおそらくその中間だ」と述べた。負債の大きい企業は景気悪化時により大幅な人員削減などが求められ「経済の混乱に拍車をかける」と懸念した。

なかでも信用力の低い企業向けの「レバレッジ・ローン」の残高が1年で20%も増えたと指摘し、その資金源であるローン担保証券が金融システムのリスクになると警戒感を示した。大手銀行は資本増強などで健全性が増したものの「リスクの高い企業債務は、非銀行部門から資金供給されている」と不安視した。

もっとも、企業債務の拡大は「08年のサブプライム住宅ローンとは異なる」とも強調した。家計債務は金融危機の直前に国内総生産(GDP)比で60%から90%に膨張したが「企業債務は65%から75%弱に増えただけだ」と指摘して「住宅価格の高騰のような資産バブルでもない」と述べた。

パウエル議長は「FRBは潜在的な経済への影響を注視しているが、私は現時点ではそのリスクは穏やかだとみている」と指摘した。ただ、金融機関の潜在的な損失リスクなどは「現時点の知識に満足しているわけではない」と述べ、国内外の金融当局と協調して情報収集を急ぐ考えを強調した。

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