2019年6月16日(日)

オーストリア、極右出身の全閣僚辞任へ 連立政権崩れる

ヨーロッパ
2019/5/21 6:18
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【ベルリン=石川潤】オーストリアの極右、自由党出身の全閣僚が辞任の意向を固めたことが20日、分かった。自由党党首のシュトラッヘ副首相が便宜供与を巡る不適切な発言の責任をとって辞任を表明したのに続く動きで、クルツ首相の中道右派、国民党との連立政権は完全に崩壊することになる。欧州メディアが相次いで報じた。

オーストリアではキクル内相ら極右出身の全閣僚が辞任の意向を固めた=ロイター

オーストリアではキクル内相ら極右出身の全閣僚が辞任の意向を固めた=ロイター

クルツ首相が同日、シュトラッヘ氏だけでなく、自由党の重鎮のキクル内相を退任させる考えを示したことに反発し、同党出身の全閣僚が辞任することにした。オーストリアでは9月初めに総選挙が実施される見通しで、クルツ首相は当面、専門家や各省幹部を後任にあてる考えとみられる。極右の自由党は内務、国防、運輸などの重要ポストを握っており、政治空白を懸念する声もある。

今回の問題は、シュトラッヘ氏がロシア人投資家とされる女性に便宜供与を持ちかける様子を隠し撮りしたビデオが明らかになったことがきっかけだ。撮影されたのは副首相就任前の17年夏だが、極右の危うさを示すものとして批判が広がった。最新の世論調査では、自由党の支持率が18%と問題発覚前よりも5ポイントも落ち込んでいる。

23~26日には欧州議会選挙を控えている。極右への不信感が欧州全体に広がれば、ポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭に一定のブレーキがかかる可能性もある。オーストリア欧州政策協会事務局長のパウル・シュミット氏は日本経済新聞に「いつもは低めの投票率が高まり(中道左派などの)親欧州派に有利になる」と話した。

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