2019年8月23日(金)

日産、社外取に重い責任 権力集中を排除

2019/5/21 0:15
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日産自動車は6月末に指名委員会等設置会社に移行する。不正報酬問題で解任した元会長のカルロス・ゴーン被告が務めていた会長職を廃止し、取締役会議長職を新たに設ける。経営の執行と監督を分離し、経営の透明性を高める狙いだ。取締役の過半数を占めることになる社外取締役が日産の執行を監視・けん制できるかが経営の健全化へのカギを握る。

20日、経営体制見直しに必要な定款変更を取締役会で決議した。6月の定時株主総会での定款変更の承認を経て指名委員会等設置会社に移る。取締役候補者を決める指名委員会、報酬を決める報酬委員会、役員の職務執行の監査をする監査委員会を新たに設置。社外取締役が3委員会の委員長を務める。

「報酬も人事も(ゴーン体制では)1人が掌握し、何かを意図的に秘密裏にやろうとすればわずかな側近とできてしまう体制だった」。4月8日に開いた臨時株主総会で西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)は株主にこう報告し、体制の抜本的な刷新を誓った。

ガバナンスの強化で期待されるのが社外取だ。

昨年の12月17日、日産は企業統治改革のための「ガバナンス改善特別委員会」の設置を決めた。特別委は社外取締役3人と4人の外部有識者で構成。特別委が提言した企業統治の具体的な改善策を日産が実行に移す。

5月17日には過半数を社外取締役とする取締役候補者を決めた。社外取には、デジタル分野に明るいアンドリュー・ハウス氏や企業経営の経験豊富な木村康氏などが集められた。

一方、ルノー推薦のベルナール・デルマス日本ミシュランタイヤ会長はルノーのジャンドミニク・スナール会長と同じミシュラングループの出身だ。現在、常勤監査役の永井素夫氏はみずほ信託銀行元副社長で日産に近いとされる。暫定の指名・報酬諮問委員会の委員長を務め、社外取を続投する井原慶子氏は「どの会社の、誰が入ってきても、企業統治機能が働くようにする」と話す。

ゴーン元会長は10分に満たない議論で経営の重要項目を決議していたこともあった。十分な議論を尽くすため社外の取締役が務める必要性を特別委は提言に盛り込んだ。

取締役会長が取締役会議長を務める日産の定款を変更し、ゴーン体制を解体する。経営者の不正の再発防止、ルノーとの資本関係の見直し、業績の回復と課題は多く、社外取の責務は重大だ。

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