ダム、事前放流可能に 岡山県内高梁川上流
中国電力は、国土交通省、岡山県などと連携し、2018年7月の西日本豪雨で氾濫した高梁川流域上流の新成羽川(しんなりわがわ)ダムについて、今年の梅雨時期(出水期)に貯水の事前放流ができるようにする。昨年被災した流域4市(新見市、高梁市、総社市、倉敷市)の4市長との意見交換会で表明した。近くダムの操作規定の改定を申請する。実施されると同社が発電に利用するダムでの事前放流は初めてとなる。
同社によると、気象庁が発表する予測で流域雨量の積算が110ミリを超えるとされた段階で放流を開始する。同ダムの貯水は発電のほか、農業用水、工業用水など幅広く利用されており、通常の最高水位から8メートルまで放流。ダムの空き容量を増やして出水に備える。
また農林水産省は、同流域で農業用水確保のために管理する小阪部川(おさかべがわ)ダムで初めて、平均7メートル水位を下げて対応する。
同流域では他に県が管理する4ダム(千屋、高瀬川、河本、三室川)では昨年に引き続き、貯水の事前放流をする構え。
事前放流に関しては、18年の氾濫で多くの犠牲者を出したことで、同年12月に4市の市長が拡充を要請していた。