2019年6月18日(火)

元徴用工問題 政府、「2国間」から転換
韓国に仲裁委要請

政治
朝鮮半島
2019/5/20 21:00
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韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた元徴用工訴訟を巡り、日本政府は20日、第三国の委員を交えた仲裁委員会の設置を韓国政府に要請した。1月から2国間での協議を要請してきたが韓国側が応じないため、日韓請求権協定に基づき次の段階の措置に踏み切った。経済制裁などの対抗措置も念頭に、韓国に仲裁に応じるよう働きかける。

韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた判決を喜ぶ原告ら(2018年10月、ソウル)

韓国最高裁が日本企業に賠償を命じた判決を喜ぶ原告ら(2018年10月、ソウル)

秋葉剛男外務次官は20日、南官杓(ナム・グァンピョ)駐日韓国大使を外務省に呼び、仲裁に応じるよう強く求めた。韓国外務省は「諸般の事情を考慮し慎重に検討する」とコメントを発表した。

韓国の地裁が日本製鉄(旧新日鉄住金)の資産差し押さえを認めた1月以降、韓国政府は日本の協議要請に「綿密に検討している」としか回答していなかった。日本は韓国と丁寧に協議していることを国際社会に示す狙いもあり、約4カ月間、韓国側の対応を待った。

このタイミングでの方針転換の一因は15日の李洛淵(イ・ナギョン)韓国首相の発言だ。元徴用工訴訟の対応策について「結論を出すには限界がある」と述べた。菅義偉官房長官は記者会見で「具体的な措置が取られる見込みはないと言わざるを得ない」と述べた。

協定は日韓両国が30日以内に1人ずつ委員を任命し、両委員がその後の30日以内に第三国の委員を1人選ぶと定める。決まらなければ両国が第三国に委員選びを求める。

韓国が手続きを拒めば設置できない。日本は国際司法裁判所(ICJ)への提訴も検討するが、これも韓国の同意がなければ裁判は実現しない。

日韓両政府の膠着を受け、原告側も焦りを強める。韓国・光州の原告支援団体は判決受け入れに応じていない企業側に和解を促す案をまとめ企業側に再提示する方針だ。韓国政府の一部や原告側には日韓の政府や企業が基金を創設する案もあったが、大統領府は否定的な姿勢を示している。

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