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企業復活のヒント(大機小機)

2019/5/20 18:00
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平成の日本はあらゆる経済指標が世界と比べて劣化した。マクロではデフレ長期化による国内総生産(GDP)成長の鈍化、ミクロでは株価に代表される企業価値の劣後だ。多くの企業で価値創造どころか価値破壊が恒常化し、長期的視点に立った投資家の期待を裏切った。代表例は終身雇用を前提とする従業員だ。平成初期に入社した従業員は老後に備えコツコツと長年、自社株式を積み立てた。しかし結果として報われなかった事例が何と多いことか。

では平成の期間に投資家の期待に応えられた企業は存在しなかったのか。個々の上場企業のリターンを検証すると実に興味深い事実が読み取れる。東証1部に上場している企業の中で少数ではあるが、100社超が投資家にプラスのリターンをもたらしている。これらの企業群は規模も異なり、業種も様々で個別性も強く、共通項が見いだしにくい。しかし、共通要素を探り当てられれば企業復活のヒントになる可能性がある。

共通要素の一つと思われるのが京都発祥の企業群だ。日本電産村田製作所日本新薬、ローム、任天堂京セラなどが代表例だ。背景には自立と自尊、独自技術にこだわる京都の歴史的風土がある。

もう一つはトヨタグループ各社や、浜松ホトニクススズキホンダ、ヤマハなど三河・浜松発祥の企業群だ。この地域は徳川時代を謳歌した反動で明治新政府からは疎遠にされたこともあり、政府に依存する体質を戒め自立の精神が強く意識されたという。別の見方をすると熱意あふれる創業者がけん引する企業群でもある。創業に向けた熱意がDNAとして組織に根付いている企業群ともいえる。

どのようにして創業の熱意を企業組織に根付かせるのだろうか。ヒントはノーベル賞受賞者が発するメッセージにある。歴代の受賞者のメッセージを要約すれば、人の真似(まね)はするな(独自性を追い求めよ)、好奇心を持ち続けよ(何故だろうと問い続けよ)、人との出会いを大切にせよ、簡単にあきらめるな、失敗を恐れるな、といったところに集約される。

個人へのメッセージではあるが大企業病がまん延した企業、長期停滞に陥った企業にも効果的だ。令和の時代はこの言葉を糧として価値創造企業が多数現れることが期待される。(自律)

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