2019年6月18日(火)

バイデン氏、関税政策を批判 「中国は立ち止まらぬ」

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北米
2019/5/19 14:34
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【フィラデルフィア=河浪武史】2020年の米大統領選で民主党の候補指名争いで先頭に立つバイデン前副大統領(76)は、18日の集会で「中国は高速通信網や人工知能(AI)で立ち止まることはない。追加関税など手法が古い」とトランプ政権の通商政策を批判した。ただ、同氏の温和な対中姿勢は逆にトランプ氏の攻撃の的となり、中国政策が選挙戦の火種となる可能性もある。

選挙演説を終え、支持者の声を聞くバイデン前副大統領(18日、米フィラデルフィア)

バイデン氏は4月下旬に出馬表明したが、数千人単位の大規模集会を開くのは18日が初めて。開催地に建国の地とされる米東部ペンシルベニア州フィラデルフィアを選び「民主主義が誕生したこの地から旅を始める」と主張した。「今の大統領は(最高指揮官ではなく)"最高分断官"だ。ドナルド・トランプを倒すのが最も重要なことだ」と述べ、トランプ氏への対立姿勢も鮮明にした。

トランプ氏の対中政策にも反論し「中国は高速通信『5G』の敷設やAIの習得、インターネットの新たな国際標準づくりで立ち止まることはないだろう」と指摘した。「追加関税が唯一の解決策ではない。21世紀型の戦略が求められるが、トランプ氏の施策はすべて古い」と保護主義的な通商政策に批判を強めた。

ただ、バイデン氏の温和な対中姿勢は、同氏が外交通と言われてきただけに、逆にトランプ氏らの攻撃の的になっている。バイデン氏は1日に「中国は悪い連中でもなく、我々の競争相手にならない」と述べ、トランプ氏は直後に「本当に間抜けな発言だ」とこき下ろした。バイデン氏の次男が中国の投資事業に携わっているともされ、同氏の中国政策は先行きの選挙戦の波乱要素になる可能性もある。

「民主党には怒れば怒るほど事態が良くなると思っている人がいる。自分はそうは思わない」。バイデン氏は富裕層や企業を狙い撃ちした過激な経済政策を掲げる党内の急進左派にも批判のメッセージを送った。気候変動対策など民主党の根幹施策を重視しつつも「妥協も必要だ。自分は政権を運営する方法を知っている」と述べ、中道派としての実績を強調した。

米政治専門サイト、リアル・クリア・ポリティクスの最新調査によると、民主党候補者の中でバイデン氏は支持率39%と圧倒的な首位に立ち、2位のバーニー・サンダース上院議員(無所属)を23ポイント差で引き離している。18日の集会に参加したボブ・ハキムさん(36)は「トランプ氏を倒せる候補が必要だ。急進左派では勝算がなく、中道のバイデン氏かベト・オルーク前下院議員がいい」と話す。

ただ、バイデン氏の中道・穏健路線は弱点にもなる。トランプ氏が抱えるような熱狂的な支持者は逆に少なく、サンダース氏ら急進左派を支える若者世代の「岩盤支持層」もない。18日の初回集会の参加者は6000人にとどまり、2万人超を集めたカマラ・ハリス上院議員や、1万3千人が参加したサンダース氏らに見劣りした。

バイデン氏はトランプ氏より4歳年上で、高齢批判もくすぶる。気温が30度近くになった18日の集会では、聴衆が聞き取れないほど演説の声が小さくなることもあり、活気に満ちあふれたとは言いがたい。支持者ですら「1期4年はともかく2期8年は務めきれない」とみており、長丁場の選挙戦を先頭ランナーとして走り抜ける持久力がまず求められる。

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