2019年6月21日(金)

日仏連合、新体制づくりなお途上 ゴーン元会長逮捕半年

日産の選択
自動車・機械
ヨーロッパ
2019/5/19 0:00
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日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン被告が東京地検特捜部に逮捕されてから19日で半年となる。仏ルノー、三菱自動車を含めゴーン元会長が君臨した3社は「ポストゴーン」体制作りを進めてきた。6月の株主総会で各社は経営陣を刷新するが、日仏連合の新たな着地点を3社は共有できておらず、当面は模索が続きそうだ。

日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告が逮捕されて19日で半年になる

日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告が逮捕されて19日で半年になる

日産は4月に開いた臨時株主総会で、ゴーン元会長のすべての役職を解任した。元会長の逮捕当初は日産の対応に懐疑的だったルノーも、不正が相次ぎ表面化すると姿勢を転換。「脱ゴーン体制」で歩みをそろえた。ルノーと三菱自が6月の定時株主総会で取締役を解くと、3社での役職が全てなくなる。

日仏連合のあり方も変わった。ゴーン元会長による統治の反省から、意思決定組織を4月に3社トップによる合議制へと刷新した。

日産の西川広人社長(右)とルノーのスナール会長は3月の共同記者会見では友好ぶりを強調していたが…(横浜市)

日産の西川広人社長(右)とルノーのスナール会長は3月の共同記者会見では友好ぶりを強調していたが…(横浜市)

ただ、ゴーン元会長の時代の規模至上主義からの決別はこれからだ。22年に3社で1400万台という販売目標はまだ撤回されていない。4月に連合の議長役に就いたルノーのジャンドミニク・スナール会長は「数カ月のうちに計画を定義し直すことになる」と話す。

この間、ゴーン体制の負の遺産も表面化してきた。規模の拡大を最優先して無理な拡販を続けた反動で、日産は19年3月期に業績予想を2度にわたり下方修正。10期ぶりに営業利益でルノーを下回った。ルノーも18年12月期に6期ぶりの減収減益となった。

日産は7月までに合理化策をまとめる。西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)は基本方針を「外科手術的なものは足早に行い、販売拡大はあわてず着実に成長を目指す」と説明する。ただ、足元の「止血」に失敗すれば、時間をかけて販売の質を取り戻す余裕も失われる。

日産の業績回復が遅れれば、ルノーとの資本関係を巡る交渉にも波及する可能性がある。ルノーは純利益の4割近くを日産に依存してきており、日産の不振はルノーの連結業績に直結するからだ。日産が20年3月期の配当を大きく減らす方針を表明したのもルノー側にとっては不満要因になる。

電動化や自動運転を巡り、自動車各社の開発費用は増え、異業種を巻き込んだ合従連衡が進む。ゴーン元会長は独ダイムラーのディーター・ツェッチェ社長らと幅広い交友関係を持ち、激動期に素早く意思決定できたプラスの面もあった。そこから新しい体制に移行できずにいるのが現状だ。

日産、ルノー双方に提携関係を解消するという発想はない。一方で、経営統合にも簡単には進めない。既に表面化した両社の温度差をどう制御するのか。剛腕経営者による「独裁」に代わる解はまだみえない。

(山本夏樹)

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