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ファーウェイ禁輸、米企業にも刃

【ニューヨーク=関根沙羅、広州=川上尚志】トランプ米政権による中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)への事実上の輸出禁止措置を受け、16日の米株式市場では同社への輸出依存度が高い米半導体企業の株が大幅に売られた。グーグルなどソフトウエアを供給する企業も余波を受ける可能性がある。米中貿易協議で中国から合意を引き出すための強硬策が、米国企業にも悪影響を及ぼす懸念が強まっている。

米半導体のザイリンクスは前日比約7.3%安と、S&P500種株価指数のIT(情報技術)セクターで下げ幅が最も大きかった。同社は次世代通信規格「5G」関連機器でファーウェイとの取引がある。米国みずほ証券はファーウェイへの供給が停止すれば売り上げの約1割を失う可能性があると試算する。

スマートフォン(スマホ)向け半導体などを手掛けるクォルボも7.1%安と下げが目立った。通信分野で多くの特許を持ち、代替が難しい半導体を供給してきたとされるクアルコムは4%安だった。

ファーウェイが公表した主要取引先92社のうち、米国は30社超と地域別で最大で、調達額は年間100億ドル(約1兆1000億円)に上る。トランプ政権による制裁措置は自国企業にも痛みをもたらしつつある。

ソフトウエアを供給する企業も影響は避けられそうにない。

ファーウェイがスマホの基本ソフト(OS)に採用するグーグルの「アンドロイド」はオープンソースとしてソースコードが無償公開されており、今回の制裁の適用外とみられる。

一方、アプリ配信ストア「グーグルプレイ」やグーグル製の地図、メールソフトは有償のライセンス供与の形をとっている。商務省の判断次第では、グーグルがこうした基幹ソフトの供給を止める可能性がある。さらにOSのセキュリティー機能の更新も適時受けることができなくなる。

米国が過去に制裁を科した中国通信機器大手、中興通訊(ZTE)はグーグルと協議し、「影響はなかった」(ZTEの海外事業に詳しい社員)という。ただ、米商務省がファーウェイについてグーグルにどう命令するかは現時点で明らかでない。スマホ販売台数で世界シェア2位に躍進したファーウェイからのライセンス料収入が無くなれば、業績に影響が出る可能性もある。

米国の制裁はファーウェイによる半導体やソフトの自主開発を促す公算も大きい。胡厚崑(ケン・フー)副会長兼輪番会長は16日、社員に宛てた通知で、米制裁について「数年前から想定しており、研究開発や業務継続などの点で十分に準備をしてきた」と説明した。

別の幹部は3月、海外メディアの取材に「アンドロイドを使えなければ、すぐに内部の解決策を立ち上げる」と述べ、独自のスマホOSの開発を進めていると明らかにしていた。ただ、仮に独自OSを実装できたとしても、アンドロイドのように多様なアプリをすぐに使えるようにするのは難しいとみられ、消費者の利便性が低下する懸念がある。

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