2019年6月19日(水)

AI半導体も減速 米エヌビディア純利益68%減
データセンター向け不振

ネット・IT
エレクトロニクス
北米
2019/5/17 19:30
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【シリコンバレー=佐藤浩実】米エヌビディアが16日発表した2019年2~4月期の純利益は前年同期比68%減の3億9400万ドル(約430億円)だった。データセンターで使う人工知能(AI)半導体の減速が目立った。データセンターに対する投資冷え込みの影響が、汎用品であるメモリー半導体以外でも目立ってきた。

売上高は31%減の22億2000万ドルだった。仮想通貨の採掘(マイニング)ブームという特需がなくなった影響に加え、全体の約3割を占めるデータセンター向けが前年同期比で10%減ったのが響いた。前年割れは、比較可能な過去4年間で初めてだ。

決算を説明するコレット・クレス最高財務責任者(CFO)の発言の端々にはデータセンター向け半導体の先行きに対する警戒心がにじんだ。「事業の視認性は低いままだ」とクレス氏はこぼす。

エヌビディアのデータセンター向け半導体は主に、機械学習や深層学習の処理を速めるために使われる。CPU(中央演算処理装置)だけを使うよりも効率が上がるため、クラウド事業者や大企業でAIの導入が進んだ17年半ばから事業規模の急拡大を続けてきた。

変調の予兆はあった。韓国サムスン電子などのメモリー各社は18年後半からデータセンター投資の鈍化を指摘していた。CPUで9割超の世界シェアを持つインテルも1~3月期にデータセンター向けの売上高が7年ぶりのマイナスに転じた。

インテルのボブ・スワン最高経営責任者(CEO)は「中国の顧客でIT投資への慎重姿勢が目立つ」と指摘する。スワン氏は16日朝に開いた株主総会でも「むこう3年間は全社の売上成長率が毎年1けた前半にとどまる」との見方を示した。

エヌビディアのジェンスン・ファンCEOは「(クラウド事業者などの大規模データセンターを扱う企業は)18年後半に過剰な能力を抱えてしまった。だからそれを使い切るためにみんな一時的に(投資を)止めているだけだ」と言う。その証拠に、AI半導体のなかでも「推論」という処理に向く新製品は「急速に伸びている」と説明する。

ただ企業がIT投資を手控える背景には、単純な能力過剰だけでなく、米中の貿易摩擦に伴う景気後退への懸念もあるとされる。追加関税や中国・華為技術(ファーウェイ)との取引制限など応酬が激しくなるなかで、企業が「様子見」の姿勢を一段と強めてもおかしくはない。

エヌビディアは5~7月期の全社売上高が25億~26億ドルと、2~4月期と比べて3億~4億ドル増える見通しを示した。ただこの増加分のほとんどはゲーム向け。データセンター事業の視界が晴れない限り、ファン氏が「成長軌道に戻った」と言い切るのは時期尚早といえそうだ。

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