2019年6月20日(木)

「焼ビーフン」米に輸出 ケンミン食品、健康志向に的

関西
2019/5/17 6:00
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米粉の麺であるビーフン製造最大手のケンミン食品(神戸市)は9月から、主力商品の即席麺「焼ビーフン」の米国向け輸出を始める。小麦を使わない「グルテンフリー(GF)」市場が健康志向から伸び続けるとみて、約10億円を投じてタイ工場を拡張。年間生産能力を2倍に高める。2030年に約1000万食分にあたる年600トンの輸出を目指す。

新工場は日系企業と共同開発した最新機械を導入する(タイのチョンブリ県)

ケンミン食品は17日に開く取締役会で、創業家3代目の高村祐輝常務(36)が社長に昇格する人事を決める。高村一成社長(63)は代表権のある会長に就く。海外営業の陣頭指揮を執る祐輝常務を中心に経営体制の若返りを図り、販路拡大を進める方針だ。

同社の看板商品「ケンミンの焼ビーフン」は、あらかじめ麺に味付けしており、野菜や肉などといため合わせるだけで食べられる利便性が特徴。類似の商品は国内外にないといい、国内ではここ20年で2億食分以上を販売してきた。

一方で、味付けに使う食肉エキスが食品衛生の観点から米国の輸入規制の対象となっており、輸出は他国・地域を含めて味をつけないビーフンを商社などにOEM(相手先ブランドによる生産)供給する程度にとどまってきた。

このほど、魚介由来のエキスを使う味付けを開発。パッケージは「KENMIN FOODS(ケンミンフーズ)」と自社ブランドを強調し、商品名は日本の愛称を生かし、「Yaki Be-fun」とする。祐輝常務は「ビーフン文化を新しく日本から世界に発信したい」と話す。

米グルテンフリー認証団体のお墨付きを得たことを示す「GF」マークを表示し、米国の日系スーパーで販売を開始。キッコーマンの海外食品卸会社、JFCインターナショナル(米国)と連携し、展開する食料品店を増やす。まず20年には100万食(約65トン)の輸出を目指す。

日本米粉協会によると「米国市場ではグルテンフリーとしての米粉市場が年々拡大している」。他地域も同様の需要があるとみて、今年度中に香港やシンガポールなどのアジア地域にも輸出し、将来的には欧州市場にも売り込みたい考えだ。

海外進出に備え、約10億円を投じてタイ工場を増強する。1万6000平方メートルの土地を新たに取得し、延べ床面積5600平方メートルの新工場を建設。12月にも稼働する。「焼ビーフン」の年間生産量は現在の約1500万食(1000トン)から、最大3000万食(2000トン)まで対応できるという。

国内でも「小麦アレルギーをもつ子供が増加傾向で、グルテンフリー食品が増えている」(日本米粉協会)。同社も関連商品を強化。3月に新味「オイスターソース味」を投入し今年度中にはカレー味を追加する予定だ。

同社の19年2月期の売上高は過去最高の85億円だった。ビーフン関連事業は売上高の約5割を占める。現在1%に満たない海外売上高比率を30年2月期には約2割まで引き上げ、売上高100億円を目指す。(沖永翔也)

ケンミン食品 1950年神戸市で創業。国内ビーフン市場の約6割のシェアを握る。60年発売の看板商品「ケンミンの焼ビーフン」は長寿ブランドとしてギネス世界記録に申請中。ベトナム料理に使うフォーやライスパスタ、冷凍食品なども手掛け、2019年2月期の売上高は85億円。

ビーフンは中国南部が発祥の地とされ、粘り気が少ないインディカ米から作る。このためタイ南東部に工場を設立。アレルゲン27品目を使わない麺商品も学校などに提供している。

グルテンフリー 小麦などに含まれる粘りけのもとになる成分「グルテン」を含まない食品のこと。小腸がグルテンを分解できず炎症を起こす「セリアック病」の対策として欧米などで広がった。米食品医薬品局(FDA)は含有量のガイドラインを定めている。

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