2019年5月26日(日)

テロあおる投稿削除、米は不参加 SNS企業に反発

ネット・IT
ヨーロッパ
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2019/5/16 19:35
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【パリ=白石透冴】フランスなどが主導したインターネット上のテロ扇動情報の即時削除などを柱とする宣言を巡り、トランプ米政権は15日、表現の自由の尊重を理由に不参加を表明した。さらに検索エンジンやSNS(交流サイト)に政治的な偏向があるとして、国民に「検閲体験」の報告を求める異例の調査サイトを立ち上げた。2020年大統領選での再選を目指し、米フェイスブックなどの巨大IT(情報技術)企業に反発している。

テロをあおる情報への対策会議が仏大統領府で開かれた(15日、パリ)=ロイター

「現時点では支持する立場にない」。米ホワイトハウスは15日の声明で、表現の自由や報道の自由への配慮を理由に、同日にパリで開かれた会合で採択された「クライストチャーチ宣言」に参加しないと表明した。

会合は3月にニュージーランド(NZ)のクライストチャーチで起きたイスラム教のモスク(礼拝所)を狙った銃乱射テロを受けて開いた。マクロン仏大統領、NZのアーダーン首相、メイ英首相ら9カ国と欧州連合(EU)の首脳級が参加し、米フェイスブック、ツイッター、アマゾン・ドット・コム、グーグルなどの幹部も加わった。仏大統領府によると日本やドイツ、インドなど8カ国も宣言を支持した。

トランプ政権の判断の背景にあるのが支持基盤である新興の極右思想「オルトライト」の存在だ。オルトライト系のサイトは根拠の不確かな陰謀論や人種差別や移民排斥を助長する記事を発信し、社会の分断を深めていると批判されている。

しかしトランプ米大統領は5月初め、複数のオルトライト系の著名人のページがフェイスブックから排除されると「ソーシャルメディア上での米国民に対する検閲の監視を続ける」とツイッターに書き込んだ。

15日にはソーシャルメディア上でのアカウントの停止や剥奪といった検閲体験の投稿を募るサイトを立ち上げた。20年の大統領再選を目指すトランプ氏にとって、宣言に加わるよりも業界との対決姿勢を強調した方が支持拡大につながると判断した可能性がある。

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