2019年5月25日(土)

豪、12年ぶり小麦輸入へ 干ばつで不作

南西ア・オセアニア
2019/5/16 19:24
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【シドニー=松本史】オーストラリア政府は16日までに、カナダからの小麦輸入を許可したと発表した。2018年から豪東部を襲った干ばつの影響で、小麦の生産量が落ち込んでいるため。海外からの小麦輸入は12年ぶり。豪州では大麦やキャノーラ(菜種)の生産も減少しており、干ばつが豪国内総生産(GDP)の押し下げ要因になる可能性も出る。

干ばつで川底が露出した川(豪東部ニューサウスウェールズ州)=AAP

豪農業・水資源省が大手製粉企業に対し輸入許可を出した。豪州では防疫のため小麦輸入に許可が必要で、同省によると他にも9通の輸入許可申請が提出されている。18年度(18年7月~19年6月)の豪州の小麦生産量は干ばつなどの影響で17年度比18%減の1729万トンになる見通しという。

豪準備銀行(中央銀行)のデベル副総裁は3月、干ばつによる農産物の不作が農業生産額を約6%、GDPを約0.15%押し下げたと指摘した。降雨が平年並みに戻っても19年のGDPへの影響は残るだろうと述べた。

豪州では干ばつに加え全国的に夏の熱波も発生している。豪気象庁によると、夏の3カ月間(18年12月~19年2月)の気温は平年を2.1度上回り、史上最高を記録した。異常気象が18日に投開票される総選挙の投票行動に影響を与えるとの指摘も出る。

豪シンクタンク、ロウイー研究所が8日に公表した調査では「豪州への脅威」として回答者の64%が「気候変動」を挙げ、「サイバー攻撃」や「テロ」を上回り12項目中トップに立った。最大野党・労働党は温暖化ガスの大幅削減や再生可能エネルギーの活用を公約に掲げ、与党・保守連合(自由党と国民党)の温暖化対策が不十分だと批判している。

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