EC市場、スマホがけん引 8・9%増の17兆円規模に

2019/5/16 19:24
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経済産業省は16日、2018年の日本の電子商取引(EC)市場が前年比8.9%増の17兆9845億円になったと発表した。物販の分野ではスマートフォン(スマホ)経由の消費が約4割にのぼり、衣類や服飾雑貨は5割超がパソコンではなく、スマホで購入している。個人間で商品を売買するフリマアプリの取扱高は6千億円を突破。スマホ起点の消費が急速に広がっている。

ECを通じて企業に消費者が支払う金額を推計した。EC市場の過半を占める物販は9兆2992億円と前年から8.1%伸びた。実店舗を含む市場全体に占める割合は6.2%と前年から0.5ポイント上昇した。旅行予約などのサービスは11.5%増の6兆6471億円、動画コンテンツなどデジタル系は4.6%増の2兆382億円だった。

市場のけん引役となったのはスマホで、物販でのスマホ経由の消費額は3兆6552億円と前年から21.4%増えた。物販に占めるスマホの比率は39.3%で、調査を開始した15年に比べて約12ポイント伸びた。18年でスマホの比率が最も高いのは衣類・服飾雑貨などで50%強になる。女性や若年層などファッションに関心を持つ消費者がけん引している。書籍や映像・音楽ソフト、化粧品や医薬品が30%台で続いた。

総務省によると、17年に20歳代のスマホなどモバイル端末によるインターネットの利用時間(休日)は3時間に迫り、パソコンの42分を上回る。SNS(交流サイト)で気に入った情報を見つけると、その場で商品を検索して購入する消費者が目立つ。写真投稿サイトのインスタグラムは企業が投稿した商品の写真からECサイトに移動できるサービスを展開する。

調査会社のニールセンデジタルによると、国内のEC大手のアマゾンジャパン(東京・目黒)と楽天の通販サイトをスマホだけで利用する人はそれぞれ7割を超える。1割前後の「パソコンのみ」を大きく超えた。

スマホで消費者が商品を販売するCtoC(個人間取引)の裾野も広がる。経産省が同日発表したフリマアプリの市場は前年比32.2%増の6392億円に拡大した。

フリマアプリ大手のメルカリでは主力だった20~30歳代の女性に加えて、男性やシニア層にも利用者層が増えている。同社は年齢別の内訳は明らかにしていないが、出品物の項目別の構成比はレディースが19年1~3月に24%と5年前に比べて10ポイント以上低下した。遺品整理など「終活」を目的にメルカリを始める高齢者も増えているという。

米調査会社イーマーケターによると、世界のモバイル機器を利用したECの市場規模は18年に1兆8000億ドル(約197兆円)。中国が69%、米国が12%を占めるが、日本は2%にとどまっている。次世代通信規格「5G」などの登場を控えて、スマホの機能強化はさらに進む見通しで、市場の拡大が続きそうだ。

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