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株価収益率13.80倍13.37倍
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財政赤字容認論と長寿の秘法(大機小機)

2019/5/16 18:00
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難しい病気と戦っていると、画期的な新薬への期待が膨らむものだ。深刻な病であればあるほど、医学の常識を超える薬であっても、わらにもすがる気持ちになる。経済学の世界で、異端とされる現代貨幣理論(MMT)が注目を集めているのも「伝統的な政策では低インフレを抜け出せない」という閉塞感が背景にあるのだろう。

MMTの提唱者らは「インフレにならない限り政府は自国通貨建てで借金し、財政赤字を膨らませてもよい」と主張する。政府債務が国内総生産(GDP)の2倍を超えているのに物価が上昇しない日本がよい例なのだそうだ。

この理論が正しいなら、政権与党にとっては朗報だ。消費税率の引き上げで大騒ぎをすることも、年金や医療の改革で高齢者のひんしゅくを買う心配もない。国債をどんどん発行して、歳出を増やせばいい。だが、学問的な当否はともかく、永田町や霞が関の経験則でいえば、うまくいくとは思えない。

まず、間違いなく財政規律が緩む。さして必要とも思えない新規の政策が次々と予算化される。一般会計で100兆円規模に膨らんだ予算に根雪のように積もるムダも温存が確実だ。甘い汁に群がる輩(やから)も多いだろう。スキャンダルなどで経済学では測れない社会的コストが膨らむかもしれない。

ある官庁エコノミストは「緩和マネーがあふれる今の日本の問題は、お金が足りないのではなく、お金が回らないことなんです」と指摘する。技術革新や規制緩和で新しい産業・サービスが誕生すれば、そこにお金は流れていく。それが消費や投資を誘発する循環が起きないから困っているのだ。単なる歳出増が答えになるなら苦労はない。

ショートショートの大家、星新一氏の作品に、古代の長寿の秘法を探す探検隊の話がある。危険をくぐり抜け、遺跡にたどり着き、ついに古代文字で書かれた秘法を発見する。解読して明らかになった秘密とは……「早寝早起き、そして腹八分」だった。

経済政策運営も、副作用覚悟の新説に手を出す前に、やるべきことをやりきる努力が先決だ。アベノミクスの3本の矢のうち、金融緩和と財政出動はもう十分、やっている。残る成長戦略をどうするか。安倍政権の古くて新しい課題である。(ペン尻)

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