2019年5月25日(土)

ファーウェイ、世界92社から調達 制裁で打撃必至

米中衝突
ファーウェイ
中国・台湾
2019/5/16 16:07
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【広州=川上尚志】米商務省が15日、中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)への事実上の輸出規制を決めたことで、同社の経営への打撃は避けられない見通しだ。同社は海外企業から670億ドル(約7兆円)前後の部品を調達、米国から年間で100億ドル規模の部品を輸入しているとされ、特に基幹部品の半導体で米企業に頼る部分が大きい。主力のスマートフォン(スマホ)や通信会社向け通信機器で今後の生産が難しくなる可能性がある。

【関連記事】米、ファーウェイへの輸出を事実上禁止

ファーウェイが18年末に公表した主要取引先リストには世界の92社が並ぶ。このうち米国は30社を超え、地域別で最大だ。クアルコムやインテル、ブロードコムといった半導体大手が目立ち、マイクロソフトやオラクルなどソフトウエアやシステムの大手も含まれる。米商務省が事実上の禁輸を課したことで、ファーウェイはこれらの米企業との取引ができなくなる。

特に影響を受けるのが半導体の調達だ。ファーウェイは自前の半導体設計会社である海思半導体(ハイシリコン)を擁するほか、スマホに使う半導体の約5割を自給できているとする。ただ通信分野で多くの特許を持つクアルコムの半導体などは代替が難しいものもあり、ファーウェイの一部のスマホ機種の生産は難しくなりそうだ。

日本や台湾など米国以外のメーカーにも影響が及ぶ可能性がある。米国外で生産された製品でも、米国製の部品や技術が一定割合以上使われていれば禁輸措置の対象となるためだ。ファーウェイには富士通ソニー、東芝メモリ、パナソニック村田製作所なども電子部品やカメラを納入している。

ファーウェイのある社員は「スマホよりも通信会社向け機器への影響が大きい可能性がある」と打ち明ける。同社は次世代通信規格「5G」用の基地局など通信機器を世界で拡販しており、欧州やアジア、中東などの通信会社と5Gの商用化に向けた契約を結んでいる。同社の通信機器の生産が止まれば、今後の各国での5Gサービスの展開が遅れる可能性もある。

米国は18年4月、ファーウェイの同業である中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)にも米企業との取引を3カ月禁じる制裁を科した。同社は半導体が調達できないことで業務停止に陥った。

ファーウェイは米国からの圧力の高まりを受け、18年から部品の在庫を積み増しており、すぐさまスマホや通信機器の生産が難しくなることはないとみられる。任正非・最高経営責任者(CEO)は1月、仮に米国から制裁を受けても「当社はZTEのようにはならない。制裁があっても影響は大きくない」と説明していた。

ただ米国が実際に制裁を発動したことで、ファーウェイも対応を迫られるのは確実だ。任氏は「米国の制裁があったら自ら代替製品を生産する」とかねて述べており、米国以外からの調達拡大と合わせて、半導体などの自社開発を強化する見通しだ。ただ年間売上高は約12兆円に及ぶ巨大企業であるため、米国抜きで十分な部品を確保できるか不透明感が強い。

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